あさっての方向を向いたリーダー

 今回の某政党のマニュフェストに10年後について書かれていた、衆議院議員の任期が4年にもかかわらずである。
 とりあえず目先の4年に対して何をしてくれるのかを知りたいのに、そんな未来の約束をされても困るのである。

 にもかかわらず10年後の約束を掲げている。

 もちろん10年後も自分は一応生きているはずなので10年後を考えることは大事だが、今日明日について目先に差し迫った現実があるのに、そこを飛ばして10年後のことを言われても現実が見えていないとしかいいようがない。

 10年後には夢があるから今を耐えろという意味なのだろうか?

 政治家などのいろんな世界のTOPの人の中には時々こういうあさっての方向を向いたリーダーがいる。

 多くは二世議員,二代目など這い上がって地位を築いたわけではなく、もともそこにあった椅子に担がれて座った人である。

 今日明日の努力の積み重ねが10年後に繋がるのに、いきなり10年後の夢だけ語られても現実味に欠け、本当にこの人は現実がわかって真剣に物事を考えているのだろうかと疑ってしまう。

 誰かのせりふを借りれば、金が無いなら結婚しないほうがいいと言って置きながら、今は金がないが10年後には金持ちになるから結婚しようといっているようなものである。

 今日明日が無ければ10年後なんか存在しないのに、眼前の現実の課題から逃避しているのか、無責任な話を語られても単なるお気楽な夢想家のようにしか見えない。
 夢想家ならどんなに現実離れした考え方をしても許されるのだが、人々をまとめるリーダーならばあさってではなく明日進むべき方向を示して欲しいのである。それがリーダーの役割で責任なのだから。

原文





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