経済の話ではなく名前の読み方の話である。
朝鮮がハングルを使いはじめた現在、中国語以外で唯一漢字を使っている言語が日本語である。
それ故日本人の名前も当然の事ながら漢字で表記である。
ご存知の通り日本語の漢字には音読み訓読みなど一つの漢字にかなり多くの読み方が存在し、更に人名漢字では特殊な読み方をするケースも出てくる。
ところがご存知の通り、中国の漢字は一部の例外を除いて原則として一文字につき一つの発音しか存在しない。
すると、なまじっか漢字表記である日本人の名前は、中国では中国語発音で読まれてしまう。
当然といえば当然のような気もするが、日本を除いた世界の国はアルファベットなどの表音文字表記がほとんどであるため、その国の発音に基づいた当て字が人名表記として用いられる。
従って多少の違和感はあるものの、原則として母国語の発音に近い状態で発音してもらえる。
つまり現在の中国語の環境の中では全ての外国人の名前のうち、日本人の名前だけが母国語の発音で読んでもらえないのである。
これはどう考えたらよいのであろうか?
日本語にはカナという発音表記が存在しているので中国語の名前も以外にスムーズにうけいれられる。
しかし中国語は前述のようにそういった発音の幅がない。
もし日本人の名前を発音にあわせるとなると、元の日本語名とは全く違う漢字が当てられることになり、日本人が自分の名前を認識するのに一苦労することになるかもしれない。
結局は日本語と中国語で漢字の発音が同じでない以上、日本人は中国語の中では発音か文字かどちらかを妥協しなくてはならない。
今のところ日本人は、漢字の意味を大事にし発音で妥協しているようだ。
これは世界でも珍しい特別な言語関係であるといえよう。
日本人は中国人にとって特別な存在なのである。