先日、故あって上海から日本の某運送会社に電話する機会があった。
いや正確に言えば日本からの着信を受けて返事をする必要があり折り返してかけたのである。
着信履歴を見ると0570―XXX―XXXとある。
「変な局番だな、IP電話みたいなやつだろうか?」
日本を離れて15年になる自分にとっては、こういった日本のサービスの様な変化にはとっても疎くなっている。
とりあえず状況は分からないながらも、かかってきた電話にそのまま折り返しでかけてみた。
楽天モバイルのLINKアプリを使ってかけると、ネット経由で日本国内扱いになるし、通話料も無料になるはずだった。
しかし、うまくつながらなかった。
この「0570」の局番は楽天モバイルのLINKアプリからだと繋がらないようである。
続いて中国携帯から国際電話でかけてみることにした。
料金はやや高めだが、短時間なら大した金額にはならない。
しかしやはりつながらなかった。
おかしいなと思い改めて「0570」の局番について調べてみるとナビダイヤルとある。
ナビダイヤルというのはNTTのサービスであり、全国統一の電話番号が利用でき、通話料も幅を持って設定できるとのことで、企業のカスタマーサービス用として広く取り入れられているらしい。
で、このナビダイヤルはどうやら海外や楽天モバイルからは接続できないようであった。
楽天モバイルに関しては日本国内から通常の電話回線を利用した通話通信であれば、接続できるようであったが、アプリ経由でネット回線を利用する通信では繋がらないようだった。
つまりネット電話のような状態のため、通常接続料課金ができない設定であり、0570には直接かけられない状況らしい。
さてこれでちょっと行き詰ってしまった。
電話回線の面で日中間の国境間の壁は克服できると思っていた私には、やはり国境間の壁があるのかとがっかりした。
これではこのサービスを利用している企業への連絡は閉ざされてしまうことになる。
まあ、日本らしいといえば日本らしいサービスなのだが、日本の企業(NTTなど)はビジネスがグローバルに展開している状況など配慮しておらず、内向きに国内市場への意識しかないのである。
さて、その場で文句を言っていても仕方なく、なんとかその0570へつなげる手段はないものかとネット上で調べてみたところ、何とか接続手段を見つけることができた。
「050PLUS」というIP電話サービスがそれであり、アプリをダウンロードして、050から始まる電話番号を取得すると、0570にもかけられるようになる。
これもなんとNTTのサービスで月額300円(税込み330円)かかる。
大きな金額ではないが、何とも納得のいかない料金徴収である。
とりあえずは仕方なく、すぐに登録手続きをして、上記の0570に電話をつなぎ、何とか要件を済ませた。
今回は緊急のため仕方なかったが、日本のビジネスサービスの視野の狭さはちょっと改善してほしいところである。