遠くに行くほど割高になる中国のタクシー

 日本と中国で同じように各都市ごとに運営されているタクシーだが、実は料金体系の慣習について、日中で大いなる差が存在する。

 それは中国のタクシーは遠くへ行くほど運賃が割高になるように設定されている点である。
 これはどういう事かと言うと、中国ではある一定以上の距離を越えると、出発地点へ戻るための営業補償として、距離加算が割増しになるという仕組みが慣習として取り入れられている。
 つまり僻地などへお客さんを運んだ場合に戻りのタクシーは営業が保障されないのでその分の補償を、僻地へ連れていったお客が面倒を見るという発想になっている。

上海のタクシー

上海のタクシー

 たとえば上海の場合を例にとると、現在初乗りは3キロまで燃油費込みで14元、3キロ以降は10キロまでが1キロあたり2元、10キロを越えると1キロあたり3元となり、10キロを境に距離加算費が50%もアップする。(参考:空港ドットインフォ
 実際の料金で言えば3キロまでが14元、10キロちょうどで28元、20キロちょうどで58元、30キロで88元とどんどん割高になる印象となる。
 このあたり、料金の単価は違えど中国のどの都市でも一定距離を越えると割増運賃が加算されるのがこの国の慣習となっている。

 しかしこの点について、日本の東京のタクシーの状況を見ると、2キロまでの初乗りが730円、その後280mごとに90円増しと設定され、合計金額が9000円を超えると超えた分が1割引きとなり、こちらは距離が伸びるほど割安になるように設定されている。

 まあ東京のタクシーは元々の運賃単価が上海より遥かに高いということはあるのだが、遠くへ行くほど割安になるのが日本のタクシー運賃設定であり、中国とは真逆の対応となっている。

 それ故に、例えば30キロの距離ならばタクシーを乗り通すより10キロごとに2回乗り継いだ方が安上がりになるという現象も発生する。

 ただタクシーに乗るときは大体そういうケチ臭い料簡では乗らないはずなので、乗り継ぎなどはとても面倒くさく、結局はその料金体系によってうまくタクシーに儲けられてしまうのが中国のタクシー事情となっている。





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