この日、本当は別のところに行くつもりでバスに乗ったのだが、どうやらバスを乗り間違えていたようで、乗っている途中でバスが山間を走るようになり、途中で万里の長城まで見え始めたのでどうもおかしいなと思っていた.
結局終点に着くまで、完全に間違いであったことには気がつかず、「延慶」という、北京北部の小さな町についてしまった。地図で見ると想像を超えてエライ遠くまで来てしまったもんだとびっくりした。
ただ、途中の景色が素晴らしく乗り間違えて後悔というよりは得した気分になっており、ずいぶんお気楽な私であった。
この延慶という町は、万里の長城の八達嶺城の北側に広がる町で日本の高原的景色が広々と広がり、フラットな上海や北京の地形に慣れてしまった私にとっては、中国でこんなに爽やかな空気に出会えるとは思ってもいなかったような緑の高原が広がる素晴らしい景色であった。
天気が良かったこともあったかもしれないが、心もすがすがしい気分にしてもらえた。
日本にいたときは年中レンタカーを借りて山間へドライブに行ったものだが、中国に来て以降そんな機会も無く、特に自然の中を旅したいなどいう欲求が溜まっていたわけでもないのだが、その前の数日間、北京のうだるような暑さに辟易していたところで、ちょうどいいリフレッシュの機会を得ることが出来た。
しかも、この怪我の功名のとんぼ返り観光、徳勝門から約1時間ちょっとの行程なのだが、バスの運賃はなんとたったの12元。滅茶苦茶得した気分である。
まあ今回は間違えて来ただけで、その分ゆっくりも出来ず急遽本来の目的地に急行してしまい、この町を楽しむことは出来なかったのだが、もし機会があればもう一度観光で訪れたいと思う町であった。
北京からそれほど遠くないので是非みなさんにもおススメしたい町である。