上海の地下鉄に乗った時に気になるのが、日本の車両にはない柱のような金属の棒。
ちょうど車両の真ん中に等間隔で立っており、一つの車両に15~16本ほど設置されている。
恐らく乗客が掴まるために設置されたものであり、上海の地下鉄は良く揺れるので転倒防止の安全策のために設置されたものだという気がする。
しかし、私はこの柱棒は邪魔であるような気がしてならない。
車両の幅を考えると、この柱棒の存在が通行の妨げになっているように感じるのである。
地下鉄に乗るとよく分かるが、ロングシートの座席の前に吊革が並行してぶら下がっているのは日本と同じであり、両脇の人が吊革に掴まった状態になると、ちょうど真ん中に人が一人通れる程度の隙間が残る。
この空間こそ人が乗り降りしたり行き来するための通路的スペースであり、満員の場合は人が立つこともあるが、ヒョイと体をかわすとスペースが生まれるのである。
ところが上海の地下鉄はここに柱棒が立っているために人の動きの妨げになってしまっていて、人が体をかわすだけでは十分な通路が生まれないのである。
故にスムーズな人乗り降りが出来ず、特に大荷物の多い中国の地下鉄事情の中では、物理的障害となって地下鉄の乗車時間の長時間化を招いているような気がするのである。
もちろん、このような床まである柱棒であれば背の小さな子供も掴まることが出来るのだが、子供の立ち位置は扉の傍とかもっと別の場所が用意できるような気がしており、柱棒であることは必須ではないような気がする。
この柱を設置するよりは、吊革を増やすか天井部に握り棒を設置したほうが良いような気がしており、通行の物理的障害となり柱棒は無い方良いという気がしている。
上海の人間は当たり前の風景としてこの柱棒を見ているのだと思うが、東京の車両を知っている私としてはこの柱棒が邪魔で仕方ないのである。