イギリスで行われた国民投票の結果により、イギリスのEU(ヨーロッパ連合)からの離脱が確実な情勢になっている。
(引用元) 実際決まれば、今後EUから離脱後の関税設定など細かい作業が始まることになり、イギリスが実際にEUから切り離された状態になるまでには2年ほどかかるということのようらしい。
ただ、経済の影響は既に始まっており、ポンドやユーロのレートの急変動を見て青くなり始めたビジネス関係者も少なくないだろう。
で、今回の投票結果を受けて、次に懸念されるのがイギリスという国が分解してしまうというシナリオである。
イギリスという国は我々が中学時代に学んできたように日本語での正式名称は「グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国」となっており、連合王国なのである。
すなわち、イングランド、スコットランド、北アイルランド、ウェールズという四カ国で成り立っていて、移動の自由などはあるが、それぞれが主権を持った自治政府による統治がなされている。
それ故に、各国の内部には以前からイギリスからの独立に向けた意向もくすぶっており、一昨年にスコットランドで行われた独立の是非を巡る投票は記憶に新しいところである。
かの投票では独立は否定されたが、独立を求める声は決して小さくなく、恐らく今でも燻っているだろう。
そして、今回のEUから離脱の投票結果である。
確かに、イギリス全土で見ると、離脱への投票が過半数を占めているのだが、4カ国の国別投票状況で見ると、イングランドとウェールズでは離脱優性であるものの、北アイルランドとスコットランドでは残留派が多数となっている。
(引用元)実は一昨年のスコットランドでの住民投票で、スコットランドが残留を選択したのはEUに残留したいという声が多かったからだと言われており、今回の投票結果でも、その意向が如実に表れた結果となっている。
そしてつい今しがた、スコットランドの首相が今回の選挙結果を受けて独立問題を再燃させることを示唆したというニュースが流れており、恐らく再び住民投票が行われる方向になるだろう。
そして今度こそはスコットランドがイギリス連合王国からの離脱が示される可能性が高いと予想される。
また同様に北アイルランドも、南部のアイルランドとの南北統一の動きが始まるとみられ、イギリス連合王国からは脱落する可能性が出てきたとされる。
こうなると、4カ国の連合国だったイギリスは、イングランドとウェールズだけの2カ国連合の小国に転落する可能性があり、しかもEUの庇護もない独立独歩の道を歩かなければならなくなるのである。
つまり今後、EU離脱以上にインパクトの強い衝撃を受ける可能性があり、恐らくイギリスは過去の栄光を保てない程に没落する可能性が高いのである。
まあ、投票はもう終わってしまったわけで、国民が自ら選んだ結果であり、今後どうなろうとも覆水盆に返らずで、孤高の道なのか茨の道なのかは分からないが、彼らは今後待ち受けている運命を受け入れざるを得ない状況となっている。