以前から意味が分からず気になっている中国のテレビCMに、老人から水を取り上げるCMがある。
この問題のCMは「百歳山」というブランドの水のCMで採水地は広東省の恵州の水のようである。
CMの内容としては、欧米の街角でこの「百歳水」のペットボトルを目の前に座り込んでいる老人の男性から、ウェディングドレスのようなものを来た若い美しい女性がペットボトルの水を取り上げてしまうような流れになっている。
まあ水のブランド名が「百歳水」ということで、長生き出来る健康な水という売りのようで、そのためCMとしては、かの老人はこの水のお蔭で長生きしてきており、若い女性がそれを求めるというのが基本設定にあると推測できる。
まあ良いように解釈すればこのCMは若い女性が「長生きの秘訣」を長生きの老人から盗み学んだという風にも理解できなくもないが、私にはどうも我儘な女性が老人から水を取り上げて「あなたは十分生きたでしょ?」と老人いじめをしているような印象にも見えてしまうのだ。
或いは、舞台が屋外であることから物乞いの老人から金持ちの女性が水を取り上げてしまう残酷な差別を行なってるような印象すら受ける。
とにかく、美しい女性に正義があるがごとくの水を老人から取り上げる映像は、どうにも気持ち良くなく、こんなCMを流す神経がちょっと理解しがたいのである。
美しい女性に男性がデレッとして我儘を許してしまうような設定ならまだマシだが、今回のように強引に取り上げるようなCM映像は、女性の美は社会規範を曲げてもいいんだという印象にも映ってしまい企業のCMとしては良くないとい気がする。
日本なら恐らく抗議が来そうなこのCMであるが、中国では個人の利益を侵さない限り文句が出ないのかどうか知らないが、結構長い期間このCMは流されているのである。