2008年05月22日 試用期間で解雇を繰り返す経営者
知り合いの会社で中国人が一人、試用期間で解雇されたらしい。 理由は業績が伸びなかったためだという。労働契約を締結せず3ヶ月の試用期間を働かさせられ、3ヶ月間の雇用期間終了の前日に言われたらしい。 3ヶ月の試用期間で実績を測られてしまうのは、何とも競争社会の厳しい実態を感じるものがあるが、実はこの経営者過去に何人も試用期間での解雇の実績があるらしく能力が高かったと見られていたこの社員への経営者の対応に、別の社員からも疑問の声が上がっているようだ。
試用期間中は給料が予定給の70%に抑えられるため、試用期間雇用を繰り返している実態は人件費の抑制を狙っているのではないかと社内の人間は疑っているらしい。
そうでなくてもこの契約解除手順は新しい労働契約法に照らし合わせると問題が非常に大きいような気がする。当事者ではないので詳細は分からないが、聞き伝わっている状況を事実だとすると、下記の問題点があるように思われる。
①労働契約の未締結 例え試用期間であっても雇用期間に含まれ、労働実態が発生した時点から雇用期間に含まれるので、労働を開始した時点で速やかに雇用契約を結ばなくてはならなかった。 法律では1ヶ月間以上1年以下未締結の場合、この期間内において労働者に2倍の給料を支払わなくてはならないこととなっている。
②試用期間での解雇手順の問題 旧労働法でも試用期間中は「雇用条件に合致していないことが証明された場合」でなければ労働契約を解除することはできないとされており、会社側は例外としてしか労働契約を解除できない期間となっている。 従って今回のように雇用契約を締結していない状態では雇用条件が客観的に存在し且つそれを労働者が知りうべき状態となっているとは言えず、例え今回のように業績が伸びていないとの理由があったとしても、書面など雇用条件に合致していないことを客観的に証明できるものがないので、試用期間での契約解除の理由が不当とされる可能性が高い。
よってこの解雇された従業員が訴え出た場合、会社側が敗訴する可能性が非常に高く、そうなった場合追加で3か月分の給料が払われるほか、雇用を継続する義務も発生する。 それでもどうしても会社がこの従業員を解雇したい場合は更に1ヶ月分の解雇手当が発生する可能性が高いと思われる。
新労働契約法が公布された現在、従業員採用は慎重さを要求され、かつ明確な雇用条件を・解雇条件を示さなければならないので、試用期間で解雇するケースは本当にレアケースになっており、今回取り上げた経営者のようなケースは許されない状況になっている。 中国の労働者保護の法律がどんどん世界水準に近づいている現在、雇用関係や従業員へのケアを怠るとある日突然大きなツケを払わされるかもしれない。 経営者の皆様はご用心を!
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2008年05月21日 携帯電話の氏名登録手続きのススメ
今の携帯電話の電話番号は約2年前に街の売店で買ったものだが、 買った当時は長期滞在をする予定ではなかったので登録する必要を感じていなかったのだが、こちらで働くようになって携帯電話の電話番号は非常に重要なものになった。 日本人同士の会合の度に配る名刺には当然のごとく自分の携帯番号が印刷されているので、万が一携帯を紛失し、番号を変更するなどということになったら人脈を紛失するに等しい。
もちろん日本でも同様のケースはあるが、中国では日本以上に個人の携帯の持つ意味は大きい。先日、友人が携帯電話を紛失して大変だったという話を聞いて、急に怖くなって慌てて携帯電話会社に身分証の登録をしに行った。
手続きは比較的簡単である。パスポートを持参し、所定の用紙に電話番号、名前、登録を希望する理由を書き、かつて掛けたことのある電話番号を10個書けば手続き完了である。 受け取った窓口の人は、その10個の電話番号が本当に一致するものかどうかチェックしていた。発信履歴から書き出したので間違えようがないのだが、恐らく紛失したときも同様の手続きをさせられるということだろう。10分ほどで無事手続きは完了。これで万が一携帯電話を失くしてもパスポートを持参するだけで同じ番号のSIMカードを発行してもらうことができる。
当然携帯電話を失くしたら電話機本体は買いなおさなければならないが、番号変更の苦労に比べたらお金で解決できるのは有難い。私の携帯電話は聯通のものだが中国移動もほぼ内容は同じだと思われる。
ただし、電話帳の復元まではされないので、電話帳自体は自分でメモを書き出すか、電話帳バックアップ機能を持った機種を買う、あるいはそういう機種を持った友人に頼み電話機を借りてバックアップだけを取っておくなど自衛策は必要だ。特に友人関係などは名刺交換などしておらず番号交換だけで済ましている場合が多いからだ。 とにかく築いてきた人間関係が無駄になってしまう危機はこれで回避できたことになる。 気軽に街中で買える携帯番号だが、万が一の紛失に備えて氏名登録を行っておくことを皆さんにも是非お勧めしたい。
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2008年05月20日 666分の3の当選に外れた時
先日、某日系食品メーカーの懸賞が中国版ホットペッパーに出ていたので、うちの社員がみな一斉に応募したら、当選総数666箱のうち、なんと3箱がうちの会社に届いた。 応募総数が少なかったのか単なる偶然か分からないがいずれにしても3箱とはびっくりした。 666分の3の確率である。 実は私も応募したのだがどうやら残念ながら当たらなかったようである。よって応募総数が商品数に満たなかったということはないようだが、社内で3箱も当たってしまっている現状目の当たりにすると当らなかった自分はちょっとだけ僻んでいた。 まあ確かに買えば大した金額の商品ではないのだが、、、、 そういう気持ちを察してかどうか分からないが、なんと当選した3人は仲良く社内に一個ずつ配ってくれた。 なんて優しい社員たちなのだろうか!! うーん、自分が当選してたら同様のことをしていたかどうかを考えるとこういうことが出来たかどうか自信がなく、当選を僻んだ自分が恥ずかしかった。
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2008年05月20日 個人の寄付金額をはりだされる。
今回の地震で会社で、会社のスタッフでも寄付を出し合うことになった。 実は地震発生早々に、事務所のあるビルの入り口に置いてあった募金箱に寄付していたのでとりあえずの気持ちは表したつもりだった。 しかし、社内に名前入りのリストが回ってきたので、さらに出さないわけには行かなくなった。 もう出したと断ってしまうと、ケチで実は出してないんじゃないかと疑われるのも嫌だったので結局再度横並びの金額を追加寄付することになった。それ自体は被害の大きさと中国で働かせてもらっていることの恩返しとしては負担が大きすぎる金額ということはないので構わないのであるが、問題はそのリストを社員が掲示板に張ったということにびっくりした。 こういうカンパや募金は気持ちが大事であって、金額は個人の事情に応じて出せる金額を出せばよい思っているが、張り出されてしまっては少なくとも横並びの金額を出さなければなくなる。きっと私のほかにも自宅近辺の付き合いなどあちらこちらで寄付を要請されている人もいると思う。張り出したスタッフは「これだけの誠意が集まりました」という善意のつもりなのかもしれないが、張り出されるほうは半ば強制力を感じてしまう。
そういえば有名人の寄付金額が話題になっているが、金額が少ないと非難される状況が発生しているようである。特に知名度の高い有名人は高額を期待されているようで、知名度と収入は必ずしも比例していないはずだから知名度で寄付を強請されるのはいささか不幸な感じがする。
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2008年05月19日 上海で地震発生時刻に一斉に黙祷 クラクションがむなしく響く
地震発生からもう一週間が経過した。 今日、地震発生時刻にあわせて、私の会社のスタッフは無論のこと周りの人のほとんどが地震の起きた四川に向かって黙祷をささげた。 運転中の車もクラクションで追悼の意に応じ、何千何万台もの車のクラクションが上海中に鳴り響いた。
その音が悲しく心に響く。
数万人もの亡くなった魂がただただ安らかに眠れることを祈りたい。
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2008年05月19日 「ちゃんぽん」がうまかった龍二三(りゅうじぞう)
ラーメンの中でもちゃんぽんは過去にあまりおいしい物を食べたことがなく比較的苦手な部類だったが、昨日入ったお店で、ちゃんぽんを強く薦められたので頼んでみた。 上海のラーメン屋中にもちゃんぽんを扱っている店はあるにはあったが、どうにも食べる気がせず、大体は味噌や豚骨ラーメンを食べていた。 さて食べてみて、うん、これはいける、素直にうまいと思った。このちゃんぽんは食べてみて人に勧めるに値する水準にあると感じた。 まだ開業したてなので味も研究中で、店員が味の感想を聞きに来るような場面もあり、もう少し塩辛さを抑えてもいいのかなと若干の改善の余地は感じたが、現時点でこの味になっていれば概ね満足出来るし、また通いたくなるうま味をちゃんとっ持っている。 イカや海老などの海鮮たっぷりの具沢山で、ボリュームたっぷりである。故に小食の方を意識してか、中椀サイズも用意されているようだ。 スープもおいしく、上海のラーメン屋で久しぶりに汁を飲み干してしまった。 一緒に食べたキクラゲと卵の炒め物も、日本の中華屋で食べるような懐かしい味で、日本人に知られれば人気が出そうなお店であり。これから味がどう洗練されていくか楽しみである。夜中3時まで営業するようなので仕事で遅くなったときにもとってもありがたい。 お店はここ 【龍二三(りゅうじぞう)海鮮麺館 】 上海市長寧区仙霞路750号 電話02162617617 場所
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2008年05月17日 トイレのタンクから水あふれる、洗浄剤にはご注意を
今朝起きたら、トイレの便器の周りの床が水浸しだった。 トイレの故障かと?一瞬思ったが昨日から今日にかけて急に壊れるような負荷をかけた覚えがないので冷静に考えて見た。 一つだけ心当たりがあった。昨日入れたトイレのタンクに放り込むタイプの洗浄剤である。 タンクの蓋をあけるとやはり、そこが水であふれていた。 恐る恐る手を突っ込むと、やはりタンクの水量調節レバーのところに、昨日放り込んだ洗浄剤が引っかかっていた。
やっぱり!
急いで洗浄剤を取り除いて別の場所に移してタンクの水を放水した。 今度はスムーズに所定量までとまった。やはり犯人は洗浄剤だった。
昨日この洗浄剤を放り込んだときは位置も考えず盲目的に放り込んでいた。故にタンクの機構の動作不全を与えてしまった。 確かに洗浄剤の説明書にはそういうことを注意して洗浄剤を入れるようにと書いてあった。
うーん、自分も説明を読まず行動する中国人の習慣に染まりつつある気がする。イカンイカン気をつけなければ、、、。
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2008年05月16日 動物の地震察知能力はもっと研究する価値あり
今回の大地震でパンダは全部無事だったという。これは人間の手で保護したのではなく、パンダ自身が事前に危険を察知して安全なところへ逃げていたという話である。話の出所がはっきりしせず、噂の域を出ないので話の真偽は不明だが、パンダが無事であったというのはNEWSにあるように本当の話のようである。
また今回の地震で直前に蛙が大量に避難していたという話も聞く。
そういえばスマトラ島沖地震のときも象は事前に逃げていたので1頭も犠牲にならなかったらしい。昔から沈む船からはネズミがいなくなるという話はよく聞く。 どの話もどこまで本当かどうかは分からないが、少なくとも人間以外の動物には人間がなくしてしまった危険察知能力が存在しているらしい。
地震研究先進国を自負する日本でさえ、なかなか地震を予知することの研究は進んでいない。生物観察による地震予知研究はあまり科学的な目で見られていない印象があるが、地震予知研究が進んでいない現在、こちらももっと掘り下げてみる価値はあるような気がする。
動物たちの危険予知能力を解明し、人間社会へ応用できれば、パンダや象が逃げることができたように犠牲を減らすことが出来るかもしれない。 世の中の生物学者さん、地震学者さんに是非お願いしたいテーマである。
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2008年05月14日 当事者ではない立場だからできること
四川地震が起きて24時間以上が経過し、だんだん被害の状況が明らかになってきているが、全体の状況はまだ完全に把握されていないようだ。 温家宝首相が早々に現地入りし現場指揮を執っている映像がテレビで放映されていたが、交通機関や通信手段の寸断もあってなかなか被害全体の状況を把握できず、それ故に対応策も手探りの行き会ったりばったりで進むしかない状況のようである。 こういう大災害が起きたとき、直接被害を受けていない自分は何が出来るのかをいつも考える。 今の仕事を投げ出して、私財を投げ打って現地に入るなどと格好いいことが出来れば最高だが、現実にはそんなことはできない。何十人かの人を一時的に救うことが出来るかもしれないがその効果は一時的で、投げ打った自分も含めてすぐに文無しとなり被害者と同じ状況に陥ってしまい逆に迷惑をかけてしまう状況になるからである。だから、逆に今の生活を止めないで何かをしなくてはならない。
まず被害を受けた人の気持ちを感じることは大事だが、当事者でなければ一緒になって悲しみにくれて落ち込んでいてはいけない。被害者を支える立場に回らなくてはならないからだ。 被害者と同じように悲しみにくれてしまうと身動きがとれなくなり、結果助けることもできなくなる。既に亡くなった方には申し訳ないが、いまやらなくてはいけないのは、被害の大きさを悲しむことではなく、まだ生きている命を全力で助け、自立して日常の生活が送れるようになるまで手を差し伸べることである。
そのための、募金や寄付などはもちろんのこと、己が今もっている能力、それが人脈であったり、ビジネス手段であったり、個人のアイデアなどの、今持っている色んな力を使って手を差し伸べることが当事者ではない人間が気持ちを伝えられる手段だと思う。 極端な話、それが利益構造を持ったビジネスモデルでも構わないと思う。暴利を得るようなものは論外だが、結果的に被災者の救済に繋がる形のビジネスモデルが構築できれば、それはそれで貢献だと思う。もちろん無償で援助を供与し続けることができるなら理想的だが、社会に無限の援助力があるわけではない。
もちろん、直接的に被害者の下へ援助が届く援助でなくても構わないと思う。ネットの掲示板に気持ちを書き込むだけでもいい。その言葉の塊が報道として被災者の下に届けば例え気休めでも彼らを勇気づけられるはずだ。 どんな微力でもやって無駄なことなど何もない。 当事者でない立場だからこそして上げられることはたくさんあるはずだ。
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2008年05月13日 義援金の意味を込めてパンダをしばらく借り受ける案
先日胡錦濤主席の来日でパンダの貸与が決まったばかりのこの時期に四川で大地震が起き、成都ほか周辺地域で大きな被害が出ている。四川といえばやはりパンダの生息地というイメージがあり、日本に送られる予定のパンダもこの四川の動物園から送られる予定だっただろうに思う。しかし今回のこの地震を受けてこの話はどうなってしまうのだろうか?今回は被害の範囲が大きすぎて動物園など個別の情報はまだ入ってきてないが、それなりに甚大な被害が発生していることが予想され、パンダにも被害が出ている状況は想像に難くない。この状況を受けてパンダの貸与話はどうなるのだろうか?もし、今回の地震で多数のパンダが死んでいるような状況が発生していれば貸与話にストップがかかることは予想できる。まあそうなったら残念だが借りる立場としては諦めるしかない。
しかし、全く逆のことも想定できる。パンダは死ななかったが動物園が被害を受けて、経済的や設備的な理由から当面の間、中国の動物園側がパンダ飼育機能が不足してしまうことが考えられる。そうなると日本としては逆に日本としては義援金の意味も込めて、年間1億円とも言われるレンタル料を払ってパンダを積極的に借り受けることが日本が出来る貢献の一つということもいえる。場合によっては2頭と言わず、4頭、6頭とキャパと予算が許す限り受け入れるというのもありかもしれない。
まだ昨日の今日で、先方の被害状況もはっきりしない中ではあるが、災害とは言え人間の都合でパンダが犠牲になるような状況はできれば発生しないことを祈りたく、日本が救いの手を延べられる立場にあるなら積極的に動いていただきたい。
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