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上海ワルツNEW


2010年05月29日 道具自慢する奴ほど仕事をしない
iPadが日本で発売された。
 この製品の良し悪しについては手にしたわけじゃないので何も言うべきところはないが、iPadに限らず、この手の話題の新製品を手にして自慢する人ほど間抜けなことはない。

 あのような新製品ツールは、手にしただけで仕事ができるようになったとか、仕事をしたつもりになってしまうような一種の勘違いの催眠術にかかりがちだが、もちろんそれは大いなる勘違いでしかない。

 つまりツールはツールでしかなく、本来の仕事は仕事の結果で評価が決まるので、道具を自慢しても何にもならないからである。

 しかも本当に仕事を頑張っている人は、仕事の中身ではなく道具を評価されることを嫌がるであろうというのは想像に難くない。
 何故ならツールのお陰で仕事に成功したといわれてしまったら、誰でもそのツールを手に入れれば仕事ができることになってしまい、本人の評価は上がらないからだ。

 また、実際にもしそのツールのお陰で仕事を成功したとしても、普通のビジネスマンの感覚ならば簡単に自分の手の内を明かさないのが、競争社会の常識である。
 自分はこのツールをこうこう利用したから私は成功したんだなどと、手の内を明かしてしまうような行動は全く間抜けともいえ、もしそれをライバルに真似されてしまえば、競争社会の中で敵に塩を送ってしまうことになるからである。

 仮にもし手の内を明かすことがあるとすれば、もうその時点で手の内を明かすこと自体が目的となり、もともとのビジネス競争からは一歩退いた意味合いになる。
 結局のところ、新製品ツールをわざわざ自慢する人は、それを生業とする人かほとんど仕事をできない人が催眠術にかかって自慢することに他ならない。

 能ある鷹は爪を隠すのである。


2010年04月26日 説得力
言葉は同じ言葉を同じ意味で使っても、使う人によって説得力が違う。

あいつのブログは会社の宣伝ばかりだと、非難している本人のブログに本人の宣伝が載っていたら説得力にかける。

部下の休暇申請を疎む上司が、よく遅刻したりよく休んでいては説得力にかける。

言葉は使う人によって同じその価値や重さが変わって来るから不思議である。

 


2010年04月11日 成田の無線LANはまだ有料
先週の日本帰国は成田空港経由で帰ってきたのだが、そのとき成田空港は無線LANが全て有料であるという事実に気づきとても驚いた。
空港に行く前に調べてみたのだが、無線LANの施設はあるのだが事前のプロバイダ契約が必要なものばかりである。
これでは事前準備なく突然この空港を利用することになったら、ネットを使ったメールのやり取りもできずビジネスに大きなロスが出来てしまう。
 比較して申し訳ないが上海の空港は完全無料化が実現している。空港どころか市内の喫茶店など結構いたるところで公共無線LANの設置が進んでいる。
 何故、いまどき成田ほどの空港が無線LAN無料にならないのだろうか、、、と書きかけて慌てて世界の空港の無線LAN事情を調べてみた。
 調べてみると世界の空港の中でも無料化が進んでいる空港は数少ないようで、ほとんどは無線LANには対応しているもののプロバイダとの契約が必要なようである。
故に成田だけ特別状況が悪いということでもないようである。

 しかしである。

成田空港はご存知のように世界一高い着陸料を航空会社に課し、これまた高い空港施設利用料を乗客に課している。にも関わらず上海に施設サービスの面で負けていることになる。これではアジアのハブ空港競争では完全に遅れをとってしまう。トランジットの空いた時間にネットに接続してメールやニュースのチェックはツーリスト達の当たり前の行動になっている現在、ビジネスマンのみならずバックパッカーやツアー客でさえノートパソコンを持ち歩き旅をする。
 
 そこで一々有料のプロバイダとの事前契約を必要とすることであれば、その空港は「使えない空港」という評価になってしまう。そうなればもし彼らが成田か上海のどちらかでのトランジットを選ぶ状況になったら、恐らく成田ではなく上海をトランジット地点に選ぶであろう。
 空港全体の施設からすれば小さいことかも知れないが、今や世界の人々の日常の行動になっているネット接続に対するサービスはそのくらい重要な判断材料になっている気がする。


 ちなみに関空では国内線利用客に対しては有料だが、国際線は国際競争力を意識してか無線LANが無料で提供されている。
 故に「無線LANは有料」は国内の常識でもなくなった。同じように日常からあれだけ高い空港利用料をとっている成田も早く無線LANの無料化を実現していただきたいと思う今日この頃である。


2010年04月07日 経済力学による日中言語の逆転という現実
現在、日本で2カ国語放送といえば当たり前のように英語と日本語だが、現状を考えてみると中国語の放送が全くないのは少々不思議とも言える。

それだけではなく、街中の表示も英語の表記はあるのに。中国語表記がある場所はかなり少ない。

最近でこそ有名な観光地はかなりハングルと中国語簡体字が表示されるようになったが、それでも英語表記に比べるとかなり少数派だ。
今回帰国してみて、日本の中に中国人があれだけ観光客や労働者として存在しているのに、日本の生活文化の中に中国語の表示が少ないことが非常に目についた。
まあもともと日本も中国も漢字表記の文化だから、字の形や意味の微妙な違いはあれども基本的意味は大体一致しているので、わざわざ日本で中国語表記をしなくても意味の理解においては彼ら中国人は問題なく理解できる土壌があるという考え方も出来る。
 
 また英語はいろんな場面で世界の公用語として使われているが中国語はそこまでの世界的広がりがあるわけでもなく、確かに話す人数は多いが地域的に偏っており世界の公用語のひとつとして使われているわけではない。そういった整理の基、日本国内での中国語表記は必要ないと結論できるのは簡単である。

しかしである。

 この2カ国表記というのはどうやら経済の力関係を表していると最近考えるようになった。
つまり経済力が下の国は、経済力が上の国の言葉を学ぶという言語の経済力学が働いているのではないかという考え方だ。
 例えば日本から見てアメリカの方が経済力が上だったので、日本人は英語を学んでいるが、その逆に日本語を学ぶアメリカ人は一部の文化的関心を持つ人以外は非常に少ないと思われ、つまり外国言語を学ぶということは圧倒的に経済的理由によるものといえる。


 そして日本と韓国や日本と中国の関係も同様で、日本国内に中国語表記やハングル表記のお店は非常に少ないが、中国の上海や北京などには日本語表記の日本料理店が数多く存在し、日本料理店ならずとも日本語を学ぶ中国人や韓国人は大勢いて、自国内外で日本人相手の商売をしている人は数多くいる。つまりそれは彼らにとって日本語を使えるほうが経済的に有利だと考えているからである。
 逆にこれまで中国語や韓国語を学んでいる日本人というのはどちらかというと文化的興味から学んでいた人がほとんどであろう。

 この理屈で言うと今のところまだ日本国内に中国語表示をしている場所が少ないのは、それだけ日本より中国のほうが経済力の低い状態にあるからで、経済的優位性を求めて日本に来る中国人は日本語を学べという状態になっているということになる。
 もちろんここ数年、金持ち中国人の日本観光は多少増えてはいるが、それはまだ観光的要因に留まっており街中の中国語表示や中国語によるテレビ放送を必要とするほどのものではない。いまのところ日本に来る中国人や韓国人はやはり多少なりとも日本語を学んできている。
  
 しかし近年、その状況は逆転するかもしれないという予測が現実的なものになってきた。

 今年中に中国がGDPで日本を抜くと言われている。
そして5年後には日本の2倍に達するという予測も出ている。
もちろん2倍程度では人口が多いので国民一人当たりではまだまだ日本が上だが、少なくとも国全体の経済力としては完全に逆転する形になる。
 そうなったときに日本国内の「言葉」の問題は果たしてどうなっているか?

日本国内は今までどおり英語と日本語の2ヶ国語表記のままいられるのか?このあたり非常に疑問になってくる。
 


 例えば今の日本の外資企業が社内公用語を英語とするように、中国企業に買収された日本の会社は社内の公用語が中国語になったりするかもしれない。

そんなひどいことと思うかもしれないが、実際日系企業は逆のことを中国人従業員に強要している現実があり、経済力が逆転すれば逆もまた然りである。
さらに日本の街中の表記に中国語表記が増え、テレビの2ヶ国語放送は3ヶ国語が標準になるかもしれない。
そして第2外国語として中学生から中国語を学ぶような時代がやってきて、国民全体が国力向上のため中国語を学べという時代がやってくるかもしれない。 

実際、現時点でも中国語を学ぶ日本人学生の増加は増えているといわれ、これは文化的関心ではなく完全に経済的理由だと思われる。

 私も正気な話をすれば中国に対する歴史文化的関心が高いわけではなく、恥ずかしながら三国志などは断片的に話を少し知っているだけで中国という国そのもに高い興味があるわけでもなく、まあどちらかというと経済的理由で中国語を学んだということになり、この流れの中の一人になっているとも言える。
 
 こうやって考えていくと経済力の逆転が、言語表示の逆転になる現実が、今目前に迫っているといえ、日本人全体でその覚悟をする時期がやってきたのかもしれない。


2010年03月29日 皺寄せのドミノ倒し
どんな会社でも事情はそんなに変わらないと思うが、一人の社員が休むとき余程その社員が外部に対して用意周到に手配をしておかないと、結局は社内の誰かが休んだ人間の分だけ仕事を背負い込むことになる。

 もちろん背負わされた人間とて、もともと本人の受け持ちの仕事が有るので、休んだ人の仕事を請け負った分だけ自分の仕事が出来なくなる。あるいは残業費などコストに跳ね返ってくる。

 そして、皺寄せを食った人の仕事が100%進まなかった場合、今度は更にまた別の社員にその皺寄せが行く。このように一人の人間が休むことによって他の社員にドミノ倒しのように仕事の皺寄せの波紋は広がる。しかも元々の担当ではない仕事をカバーすることになると、本来の担当が同じ仕事をするよりさらに余計に時間がかかる。
つまり影響を与える人数が多いほど、そのドミノ倒しの影響は深く大きく拡大することになる。これは企業の規模によらず同じことである。

 このことに気がつかず、休んだ当の本人が、自分の担当の仕事がカバーされたからといって、休んだことが会社に大きな影響を与えなかったと考えるのは大間違いなのである。

 まあ生身の人間であるから、病気その他の理由で止むを得ず休むことは誰にでもあり、それを相互カバーしあうのが会社という組織なのだが、そうは言っても誰でも一方的に皺寄せを食わされるのは勘弁願いたいところであり、他人の業務をフォローしたばかりに自分の仕事の成績に影響が出てしまうのは非常に具合が悪い。

 ならば休んだ人間の仕事を一切引き受けずにその皺寄せを拒否しても良いようなものだが、結局は会社という組織で仕事をする限り、そんなことをしたら対外的な信用問題になってしまうので、信用を失わないためにもそれなりにカバーせざるを得なく、結局はドミノ倒しの影響を受けてしまう。

 こういった休むことの影響の大きさを感じていない社員がもしもいたとき、早く本人に気づかせないと目先の実業務への影響はもちろんのこと、周囲に休み得だと思われたら本人と周囲のスタッフの関係が悪化し職場全体の士気に影響する。

例え休まなくても、自分が従来すべき仕事を他人に頼むことが多いような人は、相手の仕事への影響を把握していない自己中心的な意識の場合が高い。

 会社組織というのは契約という関係で成り立ってはいても、やはり人間が働いている以上、人間同士の相互信頼が大事で、助けてもらったら助け返すことが必要である。必ずしも回数の均衡は必要無いかもしれないが、一方的な負担と相手に感じさせた場合はやはり信頼関係が崩れてしまう。つまり休暇一つとっても、例え契約上認められた休暇であっても、こういった業務配慮や人間関係を無視した自己中心的な休暇取得は非常に危険なのである。

 迂闊な休暇取得をしたばかりに、その仕事の皺寄せがドミノのように巡り巡って本人の肩を叩くことがあるのかも知れないのが会社という組織であり人間の社会であろう。
 こういった社会関係に対するの基本的な認識の足りない大人が、最近増えているような気がする。

 



2010年03月23日 Google中国撤退決定
 ああ、やっぱりかというニュースだがインターネットの自由度の論理は中国という国家にはまだ受け入れがたいものだったということで、非常に残念である。
、これがこれから我々中国の日本人のネットライフにどのような影響を与えるかは未知数だが、少なくともGoogleによる簡体字ページの検索は非常に弱くなる。

 といっても、いままでも中国のコンテンツはGoogleへの登録を意図的に拒否していたものが多いとの事から元々検索総数は多くなかったので影響は限定的であるかもしれない。世の中にいくつかの検索エンジンがあるが、Googleほど検索結果と探したいものの検索結果順位がしっくりくるエンジンは他に無く、簡体字市場でも更なる展開を希望していたのだが今回このような事態になってしまった。

 オリンピックを開催し、万博を開催する段になっても、国民が通信の自由を享受できない前近代国家であるというのは非常に残念な限りである。


2010年03月19日 商売人感覚の欠如
先日、JALの会長に就任した<稲盛和夫会長さんが「社内に商売人感覚や企業家精神をもった人があまりに少ない」と指摘(MSNニュースより引用)>していた。
商売人感覚、つまり物事の採算を考えて判断するということである。

 まあJALに関していえば、そういう人間が幹部に大勢いたならば、今回のような事態はひき起さなかったであろうから、特段驚くべきことではない。

 現に航空不況と言われながらANAに関しては何とか持ちこたえている状況を見れば、危機を回避できる手段はあったはずなのである。しかし残念ながらJALは民間会社とはいうものの国策会社として半民半官のような状態で運営が行なわれ、政治的な意思で地方の赤字路線を背負わされてきた歴史がありその結果今回の状況を招いたので、このことに関してJALだけを責めることはできない。
 故にこの会社に普通の民間会社のような商売人感覚が育つような土壌があったとは到底思えず、というかそういう商売人感覚を持った人がいれば、政治国策の押し付けは断っていただろうが、断れないのがこの会社の根本であり、社内で下手に商売人の理論を振りかざせば居心地が悪くなる社内体質であろうという状況は想像に難くない。
 
 まあJALのみならず、日本の官僚の中に商売人感覚を持った人間が少ないのは、先日の「予算仕分け作業」でぞろぞろ出てきた訳の分からない事業を見ればよく分かる。よくこんなことにお金を使おうとしていたなぁというくらい訳のわからないことにお金を使っている。

 しかも彼ら官僚は、国の教育制度の中で優秀とされている大学を卒業し、難しい試験を突破してきたエリートのはずである。その教育エリートであるはずの官僚が行なう施策に商売人感覚が欠如するのは、つまり日本の教育システムの中に商売人感覚を育てる部分が欠如していると言い換えることができる。
 これはよく考えてみれば不思議な部分で、自立するための技術を身につけるべき教育の中に商売人感覚を育てる部分がないのは教育の欠陥といっても良いかもしれない。

 もちろん子供の頃からあまりお金に細かい人間になってしまうのも考え物だが、大人になっても採算を考えての行動できなければ、会社や生活が破綻し路頭に迷うだけである。
 現に優秀な官僚が統治してきたはずの日本の国家財政が破綻寸前で青色吐息であるのは周知の事実である。
 まあ、これがどこかの党が主張するように政治主導でよくなるのかといえば、なんともいえない部分であるが、今のままではJALどころか日本が破綻するのは時間の問題ともいえる。

 JALの現状は残念としか言い様がないが、個人的には思い入れのある会社なので、商売人の感覚を取り入れて再建に向けてぜひ頑張ってもらいたいものである。


2010年03月17日 SOHOの限界
 インターネットが普及し、IT技術が発達しつつある現代のビジネスシーンにおいて、SOHOというワークスタイルが理想だという言葉がよくきかれる。
 SOHOとはつまりスモールオフィスホームオフィス(Small Office Home Office)の略で、IT技術の発達により今までのように都心のオフィスにわざわざ人が出勤しなくても、ネット回線を通じて情報のやり取りを行なえば、大きなオフィスは必要なく、それぞれの自宅で仕事をすればよいといった意味で、将来のワークスタイルの理想像としてこの言葉が扱われている。

 確かに現代社会においてはそれだけのIT技術が発達し、中国においてでさえブロードバンドや3Gモバイルがどんどん普及しているので、それらを可能足らしめる十分な技術環境がほぼ整いつつあるとはいえる。

 しかしながら、ここに一つの視点の落とし穴がある。

 このSOHOというワークスタイルは、個人事業主など労務管理の必要なく、結果のみが問われる場合においては非常に有効だと思われるが、そうではなく一般的な労使関係で雇用される従業員やそれらを抱える会社組織に対して適用するにはあまり適当では無いということだ。

 言うまでもなく会社組織というのは専門性の組織連携によって生み出される合理性が、個人で仕事するよりアドバンテージがあるので会社組織という経済単位が生まれているだが、その会社組織が会社として機能にするためには、必ずといっていいほど綿密な連携が必要となる。
 この点においてはオフィススタイルがSOHOに対して圧倒的優位性をもっているのは自明の理である。


 しかしながら、現在では既に同じオフィス内にいても情報のやりとりをメールのみで行なう場合も多く、必ずしも対面で仕事をしているわけではないので、もしこれがSOHOに置き換わっても基本的に業務効率の面でそれほど大差ないようにも見える。
 しかし残念なことに、これをSOHOに置き換えてしまうと、同じオフィス内でメールだけで仕事をする場合に比べてもさらに業務の効率性は落ちてしまう。

それは何故か?

 実はそこに大きく人間的要素が介在するからである。
つまり「できる」ことと「やる」ということは同じでは無いということである。
技術的に可能だということと、それを実行するということの間には大きな隔たりがあり、実は働く人間のモチベーションによってこの溝が埋まるかどうかが決まる。
 
 オフィスに出勤すれば、必ず他の社員の目があり、少なくとも自宅にいるよりは緊張感を持って仕事に取り組むことになる。また時間管理の面でも朝決まった時間に出勤し決まった時間に退勤するというコアの時間があるとないとでは、生活リズムの面でもやはり業務に対峙する姿勢が異なってくる。

 また単純に業務環境の面でも差が大きく、モバイル機器がどんなに発達しても、やはり外部環境とオフィス内とでは業務効率がまるで違うし、喫茶店の中でオフィスと同じ緊張感と効率で仕事に取り組める人もそう多くはあるまい。

 自由に開放された緊張感のない中で仕事をすれば、例えクリエイティブな仕事であったとしても人間の心は楽なほうに向かい、自制が甘くなる。


 これは自分ひとりしかいない個人事業主でも同じことのようで、時間を決めずのべつ幕無しに、仕事だかプライベートだか分からない時間を過ごしていると結局は業務効率が低下してしまう。よって彼らの中には仕事とプライベートをきっちり分けるために、業務時間を設定したり自分ひとりしか出勤しないオフィスであっても自宅とは別にオフィスを設け仕事をしているという人もいる。

 つまり、SOHOを成立させるためには、働く人間がモチベーションを維持しながら働ける状態を整えることが必要条件となる。

 この点、個人事業主なら仕事の成果がそのまま自分の生活に直結するので他人に言われなくてもモチベーションを維持できるが、会社組織の中の一般従業員にこれを適用するには少々難がある。
 月給制や時給制の中では、余程きちんと成果を管理する体制をとらない限り、人目から隠れて楽をしようと考えるのが人間の自然な心理である。どんなに真面目に仕事に取り組んでいるつもりでも、いつでもできるという心の隙が油断を生む。

 このような会社組織の一般従業員にSOHOを適用するには、他人の目がなくても業務時間を守れるほどの動機付けが必要になる。例えば生活に影響するほどの成果主義評価制度を導入するとか、社員を社内個人事業主的な扱いをするとかを考える必要がある。

 これらの条件を整えず、ただ野放図にモバイルだのITだの技術を過信しSOHOを推し進めたところで、結局は業務効率が落ち理想のワークスタイルは絵に書いた餅となる。
 放っておけば楽をしたがる働く人間の特性を考えず、IT技術の面だけでSOHOを語っても限界がある。




2010年03月10日 最大手の営業努力
上海近郊の空港やバスターミナルの待合室で時間を待っていると、必ずといっていいほど携程網の勧誘員がパンフレットをもって営業に回ってくる、
携程網というのは中国最大のネット系旅行会社で、日本人や欧米人の間ではC-tripの愛称で知られる旅行会社だ。

 インターネットで航空券からホテルまで予約でき、電話を通じて全国のネットワークで旅のサポートも行なってくれるので非常に便利な会社である。日本人の間でも結構知れ渡っているので、無論のことながら中国人の中にもかなり浸透しているはずである。

 しかし、このようにその名がもう十分知れわたっているであろうと思われる最大手の携程網が今でもこういった地道な営業を日々続けている。そういえば、同様のネット系旅行会社の勧誘員の姿をあまりみたことがない。たまに見かけるが携程網ほどの勧誘活動は行なっていないように思う。
 もちろんそれだけ人間を充てられるということ自体が既に大きくなった携程網の規模の強みなのだが、それでも会社の規模に慢心せず未だにういった地道な努力を続けているということにほとほと感心してしまう。
 まあただ最大手といってもそれはネット系旅行会社に限った話で、これらとは別に既存の窓口旅行会社などがライバルとして存在するわけで、努力しなければすぐにおいていかれてしまうのが自由競争社会である。
故に、常に危機感を持って仕事をすることは当たり前といえば当たり前なのではあるが、それをきちんと実践するあの会社は他の会社と比較しても凄いなぁと思ってしまう。

 こういった努力ががあの会社を作っているのだなぁと妙に納得する最大手の営業努力の姿である。




2010年03月09日 生活がかかってるから
この1年、土曜も日曜も結構返上していろんな部分の仕事に取り組んでいる。
何でそこまでするのかと言われれば、「生活がかかっているから」と以外答えようがない。

経営者ではないので労働法のような尺度で測れば明らかに基準オーバーなのだが、まあ強制されたわけではないので訴えようも無く、逆に勤務時間をきっちり守って、それ以外の時間の努力しないということになれば、食いっぱぐれて野垂れ死にするかもしれないという意識のもと休日夜間問わず仕事をしている。
 別に仕事が趣味で仕事から離れられないわけでも無いし、仕事が面白くて止められないから土日も仕事をするわけではない。もう少し気持ちに余裕が有れば週末はきっちりオンオフを切り替えてリラックスしたいのだが、どうもまだその余裕が無い。

 同じ境遇にいるはずの同僚は、会社以外の事情で生活に余裕があるらしく仕事に生活がかかっているという緊迫感が見えてこない。
どうも仕事上の判断や行動の仕方が甘く、頓珍漢な仕事をやり方をする。はっきり言うと仕事が甘いというか、状況分析がまるで出来ていなく利益に繋がる判断や行動ができないのだ。
本人に要因がある状況の悪化に対しても、要因を否定するかのように別の面で改善をしようとするのだが、結局はその要因を改善しなければ別の改善案も機能しなくなるということが理解できないようだ。総じて判断にシビアさが無くまるで趣味のごとく仕事にスマートに接しようとする。どうにも仕事の結果そのものへの接し方が他人事のように見えてしまう。
 そんな同僚は仕事への重大な影響を知ってから知らずか、年に何度も帰国して現場を離れる。こちらは1年に一度の帰国でさえ慎重に熟慮を重ねて日程を決めようとしていて、それさえ仕事の都合で飛ぶかもしれないという状況の傍らで、あっさり帰国されると非常にカチンとくる。
これが目の前の仕事に生活をかけている者とそうでない者の意識の違いなのかなぁと思うとちょっとがっくりである。





プロフィール

1971年千葉生まれ。大学時代は水戸で過ごす。
高校時代テレビで見た高泉淳子に影響され演劇の世界に踏み入れ、以後アマチュア劇団で舞台音響専門として過ごす。就職は一般企業にするものの、趣味が高じて休日にブライダルで音響活動を続け500組近くのカップルを見届けてしまう。
自身は無類のクラシック音楽好きで日本時代は年間120本以上のコンサートに通った時期もある。
 また旅好きでもあり、日本47都道府県はもとよりイギリス、フランス、スペインなど舞台を求めて世界を旅した。
 数年前一つの恋がきっかけで中国語を学び始め、上海に渡ってきた。
まったくの新天地で日々悪戦苦闘中。

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