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上海ワルツNEW


2010年09月30日 ブログ書く暇があったら仕事しろ
 以前もこのブログに書いたが、鹿児島県の某市の有名なブログ市長の周辺が紛糾している。議会に鍵をして立てこもるなど、もうおよそ末期症状といえるような様相を呈している。
 この市長、ブログでは何やら立派な意見を述べているらしいのだが、私には結局はブログでしか自分の意見を述べることのできない、社会的にチープなコミュニケーション能力しか有しない人物のようにしか写らない。

 しかも人と面と向かって満足なコミュニケーションが取れないのであるから、人として市長として満足な仕事をしているとはとても思えない。

 彼のブログがどれだけ社会的に認知されているか知らないが、今の日本の行政の仕組みの中ではブログはブログでしかなく仕事ではない。市長としての仕事は議会や市役所など公式な場で行われるべきであり、ブログを通して何か言ってもそれは私人としての発言に過ぎなく市民へ発信した形にはならないのである。それを業務連絡のように本人が捉えているのだとしたら勘違いも甚だしいところである。

 人を取りまとめる一組織のリーダーたるもの、組織とのコミュニケーションが取れずして組織をまとめるなどありようはずがなく、この市長のやるべき仕事はブログに一方的に自分の意見を書き殴ることではなく、自分に反対する者とコミュニケーションをとって相手の意見に耳を傾け、自分が正しいと信じる方針を粘り強く訴えていくことであろう。そのためにはブログなど却って邪魔なのではないか?ブログを書く暇があったら市長としての仕事をしろといいたい。

 まあ意見が通らないからといってコミュニケーションを拒否して立てこもってしまうような人物では、市長どころかどんな仕事も向かないであろうから、まずはブログを捨てて社会と一から向き合うことをお勧めしたい。そんなブログに頼られたコミュニケーションのままでは周囲が迷惑だと思う。



2010年09月25日 無駄だった上海万博
 尖閣諸島の漁船衝突問題で日中関係が揺れる中、上海万博の入場者数が開幕以来最高人数を記録したという。
単に入場者数のことだけを考えれば、事務局としては喜ばしい限りだが、中国国民の目を世界に向ける意味として果たして成功しているのかを考えればその成果は非常に疑わしいものといわざるを得ない。
 今回の尖閣諸島関連の、双方の主張は主張として理解はするが、その表現方法に関して言えば、結局は万博を開催してもしなくても変わっていないように思う。
五輪、万博と経て世界に国民の目を向けるべき大きなイベントが2つも開催されたはずなのに国民が世界を見る目や世界に対する姿勢は何もかわっていないのだ。

ネット上ではいまだに、「打倒日本帝国」だの「賠償要求」せよだの、高圧的な姿勢で日本を非難するネットの書き込みが相次いでいるという。日本でもネトウヨという存在があるようにネット上での発言はとかく過激になりやすい傾向にあるが、そうはいっても日本人学校にレンガを投げ入れるような暴力的な示威行為はまず見られず、よほどのことがない限り暴力的な行動にでることはない。
 結局は相手の立場を理解せず一方的に主義主張を高圧的な手法で実現させよという伝統的な過激なやり方は万博開催後半になろうという現在でも何も変わらない。

つまり、上海万博が世界や世界との付き合い方を学ぶ場に何もなっていないのが現実なのだと思う。
「踊り」や「展示」を見せただけでは結局は世界を何も学べないし、ましてや付き合い方を知る由もない。
しかも新聞報道で現実の日中関係、つまり国際関係の緊張が伝えられる中、開幕以来の入場者数を記録してしまう上海万博。
こんな社会の現実からかけ離れた単なるお祭り騒ぎ的な遊園地でしかないこんな上海万博に何の意味があるものか?





2010年09月25日 貧しさと寂しさを輸入する中国
先日、上海のある日系の牛丼屋に入って思ったことがある。
いかに一人で食事をする中国人が増えたことか。

中国における食事といえば英語でチャイニーズスタイルといわれるほど、大皿に盛られたおかずを大勢でつつくスタイルが伝統的で一般的な家族の食事スタイルだという認識が私にはあった。
 もちろん中国人だって一人ごとに盛られた欧米スタイルで食事をすることはあるだろうが、それは出稼ぎ労働者であったり、学生だったりして、共同で皿をつつく状況にない時に発生するスタイルであり、それとて食事そのものを一人で食べるというケースはそう多くはない。多くの場合は必ず同僚やクラスメートと食事をするのが普通であったように思える。
 逆に一人で食事をとる場合は、まあお腹を満たせればそれでよいので、中国で言えば饅頭ひとつでもお腹が膨れればそれでよかった。
つまり、一人の食事はそれほど豪華な食事などにはする必要がなく、しかも町の食堂で出される「一人分」の食事にはそれほど豪華な食事も存在しなかった。

 何故なら一人でとる食事は楽しくないし、何を食べてもそれほどおいしくないからである。
だから逆に豪華なもの、美味しいものを食べるときは必ず大勢で出かけるものと決まっていた。

美味しいものを食べるお金はみんなで食べに行くときに使えばいいし、みんなと一緒に美味しいものを食べることが楽しみだったのである。


ところがである。

日本やアメリカの牛丼チェーンやファーストフードチェーンの進出によって、中国人は安くて美味しくそして一人で食べられるものを手にしてしまった。
大勢で食べなくても安上がりかつ美味しく、一人で食べていても恥ずかしくない外食産業が中国人の食生活の中に入り込んできたのである。

 これによって何が起きたか?

 従来美味しいものを食べるには大勢で店に入るしかなかったものが、数人あるいは一人で店に入っても十分美味しいものがそこそこの値段で手に入るようになってしまったのである。
 もちろんこれらの店に大勢で入店をしてもよいのだが、こういった類の店は5人10人といった大人数の受け入れにはあまり向いておらず、逆に拒絶気味の構造となっていて、自ずと少人数での入店に分割されていく。
 元々集団の人間の結びつきというのは時には拘束されて煩わしいという厄介な面もあるので、少人数でも十分美味しい食事が取れるとなれば、人々の食生活行動単位は徐々に細分化され少人数化していくのが自然の成り行きなのである。
 
 ところが、この食生活の細分化は、単に食事人数の少人数化だけでなく元々食事の時間で結び付けられていた人間関係の距離を少しずつ遠ざける効果を持ち始め、それは同時に人の心の寂しさを生んでしまっているように思えるのである。

 つまり「おしいいものを食べに行く」のその一言が人と人を近づける口実になりづらくなってきたのが今の社会なのだ。
 このように外食産業の進行が、人が人と食事をするという豊かな時間から、食事で結び付けられてきた人と人の結びつきを切り離し、一人での食事の時間の増加へという貧しい状況へと貶め、心の寂しさをも生んでいる。
 つまり中国は外食産業とともに、食事の貧しさと寂しさをも輸入してしまった。最近私はそう感じざるを得ないのである。


2010年09月01日 小澤征爾さんの公演
小澤征爾さんが今年のサイトーキネンオーケストラの公演の指揮を、一部を除いてほとんどキャンセルすることが報道されていた。
 病み上がりのため体力がなく交響曲をフルに振れないからだという。

人間がいずれ老いるのは仕方のない道理とはいえ少し寂しい。

かつて何百回といろんなクラシックのコンサートに通っていた私だが、彼のコンサートは結構鮮明に覚えている。残念ながら彼の手兵ボストンフィルとの競演はライブでは一度も聴くことができてはいないのだが、新日本フィル、サイトーキネンオーケストラ、そしてウィーンフィルの演奏はその音と体が受けた鳥肌が立つような感覚を覚えている。
ウィーンフィルとの公演はなんとか手に入れた仙台市民会館での公演。旅の詳細は忘れたが夜行バスで仙台へ行き、音響環境的には非常にドライでよくない会場であったにもかかわらず音楽に飲まれ、ドボルザークの新世界の第2楽章で涙をこぼしたのを覚えている。
 そして国内オケの新日との公演(チケットが外来オケに比べやすいのだ!)は、オーチャードホールで、バルトークのオケコンやボレロも非常に印象的だった。会場は忘れたが恐らく松戸でベートーベンの7番。そして大宮だと思うが英雄交響曲。
それぞれ同じ曲を直前に別の指揮者で聴いたが音の響きがまるで違った。うまくいえないが音が立体的に立ち上がってくる響き方なのである。
 そしてサイトーキネンオーケストラで元旦を挟んで2度聞いたマーラーの復活。年末に長野で年明け2日に上野で聞いた。アホな自分の行動力にもあきれたがそれだけの価値のある演奏を聞けた。

 彼が元気なうちにもう一度くらい聴きに行きたいなぁと思うが、今は上海にいてチケットを買いに行くのさえ難しいかなと思うと少し寂しい。

そうそう、今日は彼の75歳の誕生日。
誕生日おめでとうございます。いつまで元気でいてください。
そして元気な音楽をまた聞かせてください。

                        上海ワルツ



プロフィール

1971年千葉生まれ。大学時代は水戸で過ごす。
高校時代テレビで見た高泉淳子に影響され演劇の世界に踏み入れ、以後アマチュア劇団で舞台音響専門として過ごす。就職は一般企業にするものの、趣味が高じて休日にブライダルで音響活動を続け500組近くのカップルを見届けてしまう。
自身は無類のクラシック音楽好きで日本時代は年間120本以上のコンサートに通った時期もある。
 また旅好きでもあり、日本47都道府県はもとよりイギリス、フランス、スペインなど舞台を求めて世界を旅した。
 数年前一つの恋がきっかけで中国語を学び始め、上海に渡ってきた。
まったくの新天地で日々悪戦苦闘中。

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