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2010年05月29日 東京の行列店が上海で失敗する訳
東京で行列店として有名なラーメン店などが時々上海に進出してきているがそのほとんどは失敗をして撤退する憂き目にあっている。
 あれほど東京で行列店として有名だったお店が何故上海では成功できないのかと疑問を呈する人もいるが、答えは結構単純である。

言うなれば上海は東京に比べマーケットが小さすぎるのである。
日本の首都圏人口は約3000万人いるといわれ、もし仮にこの人口の0.1%の味覚に合致しそのお店のファンになってもらえたら、3万人のお店のファンが出来ることになる。
 もし彼らが月平均1回お店を訪れてきてくれたら、毎日1000人のお客を得ることが出来、当然連日大行列となる。

 東京のお店としてはこれで大成功であるのだが、実はここが勘違いの始まりとなる。

 つまり東京ではたった人口の0.1%の味覚に合致すれば行列店を作ることが出来る。
0.1%、つまり1000人に1人の割合のファンがいれば充分なのである。
 しかし逆に言うと0.1%の熱烈なファンさえ掴めば残り90%以上の人に受け入れられていない味でも行列店として成立してしまうので、経営者はここで自分のお店の行列を見て大きな勘違いを始める。

 「東京で成功したのだから、次は世界を目指そう、そうだ中国だ!上海だ!」と。

そうやって上海にやってくる。 

しかし、残念ながら上海は東京に比べ、まず日本人の人口が非常に少ない。10万人という数字を使ったとしても東京の300分の1である。

 もし仮に上記の算式を上海の日本人人口に当てはめれば、人口の0.1%しか捉えられない味ならば、お店のファンはたった100人となる。もし彼らが日本と同じように月に一回お店に通ってくれたとしても、1日あたりのお客さんはたった3名ちょっととなる。これでは当然経営的には成り行かない。

 じゃあ、「日本人ではなく中国人にPRしよう!」となる。

 考えるのは容易いが、やはりここは外国である。ベースとなる食文化の違いが当然障壁となって立ちはだかる。当然所得差も大きく日本のようにマーケットを同質で捉えられない。
 まあそれでも万が一運よく中国人たちの味覚にマッチングすれば行列間違いないのだが、所詮は東京で人口の0.1%ファンしか実績のない味であれば、上海で同じように成功する確立はそれこそ宝くじのようなものであり、とてもビジネス的に賢い挑戦ではない。

 こうやって進出しては見たが、全然客が集まらず、そうこうしているうちに素材などをケチり始め、肝心の味が落ちて行き、ついには閑古鳥状態となり撤退となる。そんなパターンをいくつも目にしてきた。

東京の行列ほどビジネスの参考にならない現象はないのである。






はじめまして!
投稿者:中畑信哉 2010年06月12日 投稿番号:29940

いつも拝見しております。
米国でマーケティングを学び、現在は経営マネジメントを専門にしております。

らーめん屋の話、おもしろそうなので、議論の輪に参加させて戴ければと思います。

諸説、考え方はあろうと思いますが、仰るように東京でうまくいった、だから上海も同じようにということは確かに難しいと思います。

ところが、らーめん屋というのは、飽和マーケットの状態ですので、行列店というのはたやすいことではないです。

自分はらーめんFCグループの新規事業に於いて、3社の事業計画を担当したのですが、まさに試行錯誤と場所にマッチする工夫や改善、意見の吸い上げなど、努力の賜物です。

店を開けたら即行列ということは難しいですよね。

そのFCグループはすべて、オヤジさんが社長となり2号店、3号店あたりまでやったところで、「投資ブーム」などで外的資金が導入された時代にありました。

今の時代、FCグループは、ワンブランドではなく、若くて才能がある新進気鋭の店主に対して、資金の提供を行い、自分たちのFCグループ既存店のカンバン替えなどを行って、試行錯誤しています。

ちなみにらーめん店のビジネスモデルというのは、販売するソフト=らーめんももちろん重要ですが、基本的には不動産を取得し、加盟店となる人に店とソフトの提供として、テナント貸しすることが収益構造です。


ということで、私の仮説では、仰るところの人気店のオヤジさんというのは、らーめん屋のオヤジさんというよりも、感覚的にキャッシュフローメカニズム及び経営論、そしてエリアマーケティングの技術を持ち合わせているか、それをできる人を雇って進出することが正しいと思います。

上海ワルツさまの云いたいことには、賛成です。
東京でうまく行った人は、上海で同じ考えを持ち込んでしまいがちというのは、他の業種でも、ましてやこちらでしごとをされている会社員の方も感じられている実情だと思います。

行列イコール一流ではない
投稿者:上海ワルツ 2010年06月12日 投稿番号:29934

そう書きたかっただけです。
東京で行列が出来ただけで勘違いする経営者がいるというだけです。まあ本当の一流だったら通用するかと思いますが、味覚というのは生活文化ですから、味が通用すれば儲かるともいえないのが飲食ビジネスでしょう。

日本での一流は上海でも通用する。
投稿者:keyman 2010年06月05日 投稿番号:29482

日本で行列が出来る店は、上海でも通用するはずである。
ただし、ガンゴ親父が客のニーズなど無視し、たまたま受け
入れられた場合は、別。

ニーズを的確に分析し、価格、味、店の雰囲気、サービスなど
総合的に妥当性、許容性を考慮した店作りの結果、日本で行列
が出来ているならば、もちろん上海でも流行るはずである。

KFC見ても分かるように当然、環境の変化に対応できなけ
れば、個人でも企業でも撤退の可能性は大であると思う。




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プロフィール

1971年千葉生まれ。大学時代は水戸で過ごす。
高校時代テレビで見た高泉淳子に影響され演劇の世界に踏み入れ、以後アマチュア劇団で舞台音響専門として過ごす。就職は一般企業にするものの、趣味が高じて休日にブライダルで音響活動を続け500組近くのカップルを見届けてしまう。
自身は無類のクラシック音楽好きで日本時代は年間120本以上のコンサートに通った時期もある。
 また旅好きでもあり、日本47都道府県はもとよりイギリス、フランス、スペインなど舞台を求めて世界を旅した。
 数年前一つの恋がきっかけで中国語を学び始め、上海に渡ってきた。
まったくの新天地で日々悪戦苦闘中。

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