TOP > BLOG > 上海ワルツNEW

上海ワルツNEW


2010年10月09日 まだまだ上海②上海駅30万VS新宿駅350万
国慶節のニュースの中で、「上海駅の旅行客が大幅に増え、ピークを迎えこの日1日で30万もの利用客があった。」と目にした。

「30万人」

確かに少なくない数字ではある。日本だと少し大きめの都市の人口に匹敵する。

はて、でもこの数字は駅の利用客数として本当に多いものなのか?

気になって日本のデータを調べてみた。
すると見つけて驚いたデータが新宿駅の1日350万人。
どうやらギネスブックに載る数字らしいが、この数字は上海駅のニュースのように一時的なピークではなく毎日の数字だというから更に驚きだ。
上海万博の目標の7000万人なんぞ20日で達成してしまう。

 しかもこの上海駅の30万人という数字を基準にすればそれ以上の利用客のある駅が日本にごろごろしていて少なくとも50はあるようだ。
 私の地元の柏駅でさえ39万で上海駅を上回る。

 まあ数え方に差異はあるだろうから、あまり一律に比較はできないが、この50の駅はともかく新宿駅に関してはどう数え方に違いがあっても上海駅が上回ることはあるまい。
 確かによくよく考えてみれば新宿駅なんぞ、いつでも人だらけで上海駅の比ではない気がする。
 しかしあれだけの人数がいながら、何か事故でもない限り人の流は滞留することなく流れている。考えてみると350万人の人が毎日流れる駅というのは恐ろしいことである。
 最近、上海の地下鉄全部でようやく700万人を超えたとニュースになっているのに、新宿駅は一駅でその半分を裁いていることになる。


 もちろん上海駅もピーク時には駅前広場が人で埋め尽くされるが結局は30万そこそこなのである。しかも上海駅前にいる人々は動いているというより滞留している人の数が多い。

 実はこれは長距離鉄道の輸送体系が、日本のようにハブアンドスポークではなく、ポイントトゥポイントのため、自分の列車の時間が来るまで駅で滞留するほかないという理由が大きいように思う。
 もしこれが上海駅を混雑させている理由だとしたら、鉄道を取り巻く環境が人の流れに対して効率が良いわけではないということになる。

 しかも上海駅の10倍の利用客があるとされる新宿駅は敷地面積で言えば、10倍の面積があるはずが無く、せいぜい数倍であろう。
でも延べ床面積で数えればどうなるかわからない。そのくらい縦に何層も重なって凝縮されて組み合わされて350万人の乗降客を裁いているのが新宿駅である。

 結局上海駅は30万程度の利用客で音を上げて、上海南駅だの虹橋駅だの外部に独立駅を作って人の流れを分散させてきた。
 しかもそれぞれ驚くほど巨大駅をつくっている。しかしながらどちらも機能性の面から言って新宿駅に追いついているとは言えまい。
新宿駅が裁いている350万人がもし上海南駅や虹橋駅に流入したらどうなるか?結果は火を見るより明らかである。
 あのようなただただ巨大な駅を作っているようでは、上海は結局は100年経っても新宿駅には追いつけまい。

それにしても今にして思う日本の交通網の超効率的な環境。あれだって日本にいた時は不満タラタラだったはずだがこちらに比べれば雲泥の差であることに気づく。
 実は上海なんてまだまだ交通網を自慢するには早過ぎるのである。



関連ページ交通関連情報

2010年10月07日 まやかしの多い中国の「世界一」
中国のニュースを見ていると、どうも「世界一」の言葉が連発されているという印象が強い。
上海の地下鉄延長距離や高速鉄道のスピードなど、何かというと「世界一」をつけたがる。
 
でもこの地下鉄の話を筆頭にして、世界一の基準がどうも書き手の都合の良い部分だけを抜き取った「まやかし」だらけの世界一、極端な言い方をすれば捏造された世界一という印象はぬぐえない。
 以前もブログに書いたが、上海の地下鉄は世界一でもなんでもなく、都合の良い部分だけを抜き取った平等な条件で並べていないまやかしの「世界一」標榜でしかなく、実際にはどう括っても地下鉄世界一ではない。そんな数字を丸呑みにして浮かれている上海人、というかそれに影響されてやはり浮かれている日本人はいかにアホなことか。
 ただ「世界一」の言葉の印象のまやかしに踊らされているだけなのである。

 まあ報道側を少し擁護すれば、これだけ刺激の多い中国の社会にいれば、多少のことでは驚かないのも事実で、「世界一」の冠をつけなければ大したニュースにならないという報道側の姿勢もわからないではないが、やはり「世界一」がそんなに安易であっては困るのも確かで、こちらとしても世界一をそんなに安売りしてほしくないという気持ちがある。
 やはり「世界一」を掲げるニュースには、世界二位を上回る経過や努力の積み重ねがあってほしいものだし、そんなまやかしの「世界一」に踊らされて損をするのは結局は踊らされている人達なのだから、まやかしの世界一は無くして欲しいものである。



関連ページ交通関連情報

2010年10月06日 中国の踏切
非常に珍しい体験をしてきた。

先日バスに乗っていたとき、突然バスが止まったので何かなと思ったら、目の前の道路を線路が横切っていて、フェンスが突然閉められ始めた。

よく見ると踏み切りだった。

保安員のおじさんが、旗を片手にゆくっりと柵とともに道を塞いでいく。
結構大きな幹線道路なのに思いのほかのんびりとした閉め方である。



自動車などの車両は止められてしまったが、自転車などはぎりぎりまで横断が認められるらしい。

こういうところが中国らしいと言えば中国らしい。

さて、いよいよ自転車の通行も締め切られ、列車の通過を待つ段になった。
どんな列車がやってくるのか?長ーい貨物列車か?そんな期待がちょっと膨らむ。

あれ?

そうやってきたのは機関車一両。
機関車はのんびり目の前を過ぎていく、そうしてあっという間に過ぎ去った。




ゲートが開く。
やはり保安員のおじさんが旗を振りながら柵をあけていく。
待っていた自動車やバイクがいっせいに動き出す。

機関車一両のために、何分待たされたのだろうか?
10分くらい止まっていたような印象がある。

今回急ぐ移動ではなかったのでのんびり眺められたが、焦っていたらバスから降りて歩いて先へ進んでしまったかもしれない。

そんなのんびりした中国の踏切風景であった。



関連ページ交通関連情報

2010年09月25日 無駄だった上海万博
 尖閣諸島の漁船衝突問題で日中関係が揺れる中、上海万博の入場者数が開幕以来最高人数を記録したという。
単に入場者数のことだけを考えれば、事務局としては喜ばしい限りだが、中国国民の目を世界に向ける意味として果たして成功しているのかを考えればその成果は非常に疑わしいものといわざるを得ない。
 今回の尖閣諸島関連の、双方の主張は主張として理解はするが、その表現方法に関して言えば、結局は万博を開催してもしなくても変わっていないように思う。
五輪、万博と経て世界に国民の目を向けるべき大きなイベントが2つも開催されたはずなのに国民が世界を見る目や世界に対する姿勢は何もかわっていないのだ。

ネット上ではいまだに、「打倒日本帝国」だの「賠償要求」せよだの、高圧的な姿勢で日本を非難するネットの書き込みが相次いでいるという。日本でもネトウヨという存在があるようにネット上での発言はとかく過激になりやすい傾向にあるが、そうはいっても日本人学校にレンガを投げ入れるような暴力的な示威行為はまず見られず、よほどのことがない限り暴力的な行動にでることはない。
 結局は相手の立場を理解せず一方的に主義主張を高圧的な手法で実現させよという伝統的な過激なやり方は万博開催後半になろうという現在でも何も変わらない。

つまり、上海万博が世界や世界との付き合い方を学ぶ場に何もなっていないのが現実なのだと思う。
「踊り」や「展示」を見せただけでは結局は世界を何も学べないし、ましてや付き合い方を知る由もない。
しかも新聞報道で現実の日中関係、つまり国際関係の緊張が伝えられる中、開幕以来の入場者数を記録してしまう上海万博。
こんな社会の現実からかけ離れた単なるお祭り騒ぎ的な遊園地でしかないこんな上海万博に何の意味があるものか?





2010年08月19日 コピーだらけで役に立たない中国のネット
 中国でいろんな情報を調べるとき、よく百度の検索エンジンを使うのだが、検索結果を見るとどうも全く同じ内容のコピーが目立つ。
 例えばお店の情報を一つ調べるにしても、膨大な量の情報が検索で引っかかるのだが、よく見ると同じ情報がコピーされていて全く同じ文章が表示されている。

 まあ表示されているその情報がそのまま役に立つときはそれで事足りてしまうのだが、営業時間が表示していないなど5W1Hのどこかの情報がかけていた場合、コピーでしかない他の情報も、やはりそのまま欠けた情報となっているので、その穴を埋めるのに非常に苦労することになる。
 つまり彼らはアフリエイト的な部分に夢中ではあっても内容の正確性には関心が低く他人任せ、つまり他所からもらってきたり盗んできたりするだけで、自分の足で調べることをしないのである。
 このように結局は役に立つ情報に辿り着けず、諦めるほかない場合が多々ある。

 これには中国特有のネット事情、、、というか相対的には日本のネット特殊事情といったほうがよいのかも知れないが、日本の場合は企業や施設の公式サイトがほぼ必ずあって、その会社名や施設名で検索されればその公式サイトがほぼ検索順位1位になるという環境がある。

 日本にいたときはそれが当たり前のことであると思っていたのだが、中国に来ると実はそれが当たり前のことではないことに気付かされる。まず、会社や店の公式サイトを持つのは大手企業に限られ、さらに、ネットが対ユーザーの大事なインターフェイスであるという意識が非常に薄かったり、位置づけがよく分かっていない場合が多く、見かけだけ派手で中身がなく、かつユーザーが求める情報に欠けているサイトを多く見かける。
 さらに多くの商店や会社は、自社でサイトを持たず巷のネット運営会社が各スポットを登録し、データベース化しているケースが多く、百度などで検索してかかってくるサイトの多くはこれらの情報サイトだ。


 概ね一つのスポット情報に幾つかのコメントがついているというのがこれらのページの一つのスタイルだが、情報があまり整理されておらず使いやすいとは必ずしも言いがたいし、質問サイトなどは他の二ュースサイトなどからのコピー文書を沢山見かける。
 結局は公式サイトや情報発信元の正確な情報がどこにあるのか分からず、あやふやな口コミのような情報だけが大量に独り歩きしている。

 これらを見ているとコピー文化のお陰で内容的に不足な情報が大量に出回って、情報量の割には全く質が深くならないのが中国のネット文化の現在のような気がする。

 公式情報に対する口コミ的な提供情報はそれはそれで非常に大事な情報なのだが、それらは公式的なきちんと整理された情報があってこそ初めて意味を成すもので、口コミだけが一人歩きするような情報状態はあまり良い状態であるとは言えないのではないか。
 更にこれらのサイトを見ていると実に中国人はあまり情報の整理や管理が上手ではないのではないかと感じる。
 経験不足なのか国民性なのか、、とにかく今の時点では中国人は情報整理が日本人ほどうまくなく、日本人からするとイライラすること然りである。

 しかしこういうところに意外とビジネスチャンスがころがっているのではないか、そんなことを感じつつ日々中国語サイトの役不足に苛立っている。




2010年06月05日 SMAPの万博公演が中止
こんなニュースを目にした。

5月30日に行なわれた韓国アイドルグループのコンサートに入れなかった人たちが暴動を起こしたなど、安全確保ができないというのが主な理由のようだ。

まあ事務局にとっても入場者数対策の目玉の意味もあったSMAPコンサートだが、ここのところ毎日40万人前後の入場者数を確保できていることから、無理に入場者数を増やす理由が無くなり、会場内及び宿泊先の安全の確保や警備強化なども考えれば、無理する必要もないということなのだろう。

朝令暮改の対応には呆れるし、中国のSMAPファンにとってもとても気の毒なニュースである。





2010年05月12日 「相手が悪いんだ」という態度
今更、私が書き出すことではないが、中国人の成長過程の教育の中に「謝る」ということが含まれていないということは中国の生活の中で暮らしていると良く分かる。
日本の場合は、悪いことをしたり失敗したりしたら「素直に謝りなさい、そうすれば相手は許してくれる」それが繰り返し言い含められてきたのが日本の伝統的な教育の基本態度だと思う。

 また喧嘩をすれば、喧嘩両成敗ということばがあるようにどちらかが悪いとかではなく、結局相手の非を口に出すこと自体が、己を相手と同じレベルに自分を貶めることになるので、それを口に出さずまず己の非を認め謝る。相手に非があったとしても己の努力が足りてれば、相手の非を招かずに済んだかもしれない、相手を責める前にまずは己の非を責めよと教わる。それが、狭い国土の中の人間付き合いで育まれてきた人間関係の保ち方であり、これを子供の頃から教わってきた。
 よってそういう日本人同士の関係の中、「相手が悪いのだ」という態度を表に出せば、それは関係の決別宣言と取られても文句の言えないことを意味する。
 
 ところが、中国ではそうではない。喧嘩はやられたらやり返せというのが子供に対する教育の基本らしく、それが人間関係の基本となっているところがある。つまりそこには「相手を認めて許す」とか「自分の非を認める」という人間関係の保ち方はあまり学んできていない。もとから人間関係を保とうなどという前提がなかったのが以前の中国人達の基本姿勢である。

 故に、明らかに自らに非があるような場合でも、明らかに嘘と分かる言い訳を並べたてて自分を正当化しようとする。
 または相手に非を押し付けたり相手のアラを探して、自らの罪を軽くしようと必死にもがく。
 これは日本人からみると非常に子供っぽい見苦しい態度なのである。つまり大人になりきれていな子供がよくこういう態度を取るということになる。


 例えば先日の万博PR曲をパクリ疑惑を言われている作曲家がまさにこの態度で、この例では「どんな曲も全く参考にしていない、全て自分のインスピレーションだ」と言い張るだけなら証拠もないので周囲もその偶然性を考慮せざるを得ないのに、ありもしない岡本真夜さん側との約束があってそれを認めない相手が悪いのだなどと振りかざす時点で、明らかに見苦しい嘘であることばれてしまう。

 にも関わらず、嘘でも理由を並べ続け言い続けることが彼の身を守ると信じて非を認めない。この態度に対する中国人達の評価はどうなのかは是非知りたいところだが、少なくとも日本人から見ると、この人間がもがけばもがくほど彼に対する評価は下がる。

 まあ一般の人間関係であれば、たとえ決別したとしても修復の必要性がなければそのままにしても良いようなものだが、ビジネス関係にそういった「決別してもいいんだ」という態度を平気でする人間が会社内に紛れ込んでしまうと非常に厄介である。そういう人には少なくとも体外的な責任ある立場は任せられない。

 最近の上海では、ビジネス関係の積み重ねが醸成しつつあるので、そのあたりの人間関係の付き合い方が上手になり、そんなあからさまな態度を取る人は徐々に減りつつあるが、それでも時々すぐに「相手が悪いんだ」という態度を表に出すスタッフがいて、やきもきさせられる場合がある。そんな詰まらない態度一つで大事な関係を壊わされでもしたら、苦労して人間関係を築き上げながらビジネスを展開しようとしている私からしたら、たまらない行動なのである。

 まあここでは「中国人は」のような主語で書いてしまったが、実は最近日本人と中国人でビジネス意識が逆転している部分があり、国籍だけでものをいえなくなってきている。中国人の方が日本人より礼儀正しい場合が多く見られるようになった。つまり経済の逆転とともに日本人の礼儀正しさが失われつつあるのである。

 とにかくビジネスシーンで状況を冷静に分析もせず「相手が悪いんだ」という態度で相手に接するようなスタッフは勘弁願いたいというのが本音である。


2010年05月09日 そもそも国家発展モデルがパクリ
 巷ではPRソングだやマスコットだのテーマ館デザインだの、万博に関する多くの事でパクリ疑惑が指摘されているが、そもそも万博を開催させようという考え方自身が、国家発展モデルのパクリのような気がする。パクリという言葉が悪ければ模倣と言い換えてもよい。
 今回の上海万博は2年前に行なわれた北京五輪とともに中国の国家的一大プロジェクトとして位置づけられてきたことは多くの人が知るところだと思うが、五輪と万博を重要視するというその戦略こそ、東京五輪と大阪万博という日本の戦後2大イベントを倣ったものだということができる。

 「五輪と万博を機に街を整備し、かつ全国の都市間に新幹線網を張り巡らせ、港湾や空港を整備していくなど基盤を充実させ経済で世界に比肩する国家となる。」
 と、主語をつけなければ日中どちらの国の説明しているのか分からないほど、その発展モデルは酷似している。そして最後にはご丁寧に豊かさの象徴としてディズニーランドまで準備しようというのだから、その模倣振りは徹底している。
 
まあ中国という国が、このような戦略をとる背景には日本の戦後の経済成長に対する憧れというか嫉妬のようなものが国家首脳部にあったということは想像に難くない。
日中間の戦争が終った時点では、両国の経済力にそれほど大した差があったはではないのに、五輪と万博を経てぐんぐん経済成長し世界の中で発言力を増していった日本に対し、大国といわれながら経済の世界では遅れを取った中国は、なんとか日本に追いついて追い越したいと考えていたに違いない。
 それゆえに、日本と同じ轍の戦略をとったのだと想像できる。
「日本と同じパターンの戦略をとれば中国も同じように発展できる」そう考えたのだと思う。つまり国家戦略をぱくったのである。
今回の万博の入場者数の目標7000万人が、過去最高だった大阪万博がターゲットにあることから見ても、日本の発展モデルを猛烈に意識していることが良く分かる。

 確かにこれらの戦略はほぼ当を得て、中国はまさに経済大国としての目覚しい発展を遂げつつある。
 
 ただ、既に先を歩いてしまった我々日本人からみると、この日本の歩んできた経済発展の歴史は本当に良かったのかと振り返り反省し始めている部分があるので、同じ轍を進もうとしている中国に対してやはり同じように先行きの不安や成長時の歪みの不安を感じる部分はある。

 また40年前に日本が目指していた豊かさの価値観とは違う価値観が、既に世界を支配し始めており、それは上海や中国も例外ではなく、国家が戦略的に目指す豊かさとは違うものを追い求めているのが今の一般市民生活であり、そのズレが今回の入場者数の目標との差異となってそのまま現れているような気がしている。

 今回のテーマである「より良い都市 より良い生活」は、40年前の大阪万博のときであれば、まあしっくり来るものであったかもしれないが、今の時代感覚ではちょっと古臭いと感じるのは、やはり万博の存在そのものが模倣プロジェクトであるからにほかならない。時代を見据えた上で、きっちり練られた万博開催であったならば、このようなパクリ疑惑だらけにはならなかったであろうというのが私の推論である。


2010年05月08日 ダフ屋の誤算
万博の入場者の低調が伝えられる中、100万枚以上売れたはずの5月1日~3日の期日指定チケットが利用されていないことが話題になっている。

 この原因としていろいろなことが言われているが、一つは政府関係者に無料で大量に配られたので彼らが余らしてしまったのではないのかということ。さらに大量に買ったのは個人ではなく旅行社ではないのかということ。そして転売目的のダフ屋が大量購入したのではないかということだ。

 政府関係者云々に関しては、私の周りにそういう人がいないので実態としてはわからないが、開幕式の出席者の構成を見れば分かるとおり、一般市民よりそういう立場の人たちが優遇されているというこの国の状況としてありえない話ではないので、容易にそういった推測が成り立つ。

 また旅行社の話で言えば、私の周りでも結構4月末のギリギリまで初日の万博チケットがあるので参加しませんか?という話が回ってきていていた。つまり早々に売り切れたとされるチケットは団体枠で旅行社が買っただけで、買った旅行社が結局その団体枠分を埋め切れなかったケースがあるように察する。そのとき私のところに来た話は食事などのプレミアがついていたと思うが一人500元であった。通常日の普通券ならば160元で買える物である。

 そしてダフ屋の存在である。私もネット上で指定日チケットが本来200元であるにもかかわらず、280元の値をつけて売りに出されていたのを確認した。80元の嵩上げである。やはり転売によって利益を狙っている人がいたのである。そのチケットが売れたかどうか分からないが、日本人間でさえこの状態であるのだから、利益に貪欲な中国人たちの状況は推して知るべしあり、恐らく転売目的のチケットが大量に買われていた状況は容易に想像できよう。


 いずれにしても本来の「万博へ行きたいからチケットを手に入れる人」ではなく、指定日というプレミア目当ての「利益に群がる人たち」がチケットを手にしていた可能性が非常に高いと推定される。

 しかし、そういった利益目当ての目論見は、経済感覚に優れた多くの市民には見破られたようで、特に上海市民は近々無料チケットの配布が予定されていると報道される中、わざわざ高いお金を払って最初の3日間に訪れる価値を見出せなかったのであろう。

結局一部のお祭り騒ぎに煽られた人々だけがそういったチケットを手にして入場したが、旅行社やダフ屋に「売られたはずのチケット」は本当の入場者の手には渡らず彼らの手元に残ったものだと推測される。
 故にこういった販売枚数と入場者数が大幅に乖離したという状況が推測される。

 まあ、こういったダフ屋の存在は万博事務局にとっては迷惑な存在かもしれないが、事務局にしてもあまり彼らを非難する資格はないであろう。何故なら指定日という形でプレミアをつけ、通常日より高い値段でチケットを売り出しているのは万博事務局自身であり、彼ら自身が利益を嵩上げしようとしていた胴元なのだから。

 そして結局は万博事務局や旅行社も含めたダフ屋たちの目論見は脆くもくずれてしまった。
 万博自身の魅力に過剰な期待を持ちすぎていたのが彼らの誤算である。

 今後の見通しについても万博事務局はすでに3300万枚売ったとしているが、これとて本当に万博に行くことを決めている人が手に入れているかどうか分からないのであり、誤算に終る可能性は非常に高いとも言える。




2010年05月05日 ナント!もう諦めた?万博が入場者数速報を停止
今日は朝から雨だった。しかも今日から中国は平日で仕事が始まる。
なので万博入場者数にどのくらい影響が出るか非常に気になってお昼ごろ公式ページを覗いてみた。

すると、なんとまだ6万人台であった。

「ありゃぁー。」

なんと想像以上に少ない人数である。
雨と平日の影響がモロに出ている。
うーん、これじゃ園内はきっと閑古鳥だなぁと想像しつつ、でも逆に行くなら今日だなぁと思った。
が、仕事があるのそんな対応はやはり無理である。
まあ私と同じ境遇の人は大勢いるだろうなぁと思いつつ今日は仕事を続けた。



そして夜になって公式ページを再確認した。


 すると、なんと今度は園内人数の表示が消えている。
しかも30分ごとに速報値が報告されるはずの入場者カウントも夕方17時半でストップしている。
17時半の時点で7.88万人、つまり8万人に満たない状態で止まっている。それ以後の更新がされなくなった。
 どうやら万博事務局は入場者数が少ないことを恥と感じて引っ込めてしまったらしい。

 万博事務局の人々はなんと気の短い人たちであろうか?
 確かに1日40万人を豪語していた立場から言えばこの状況は泣くになけない状態なのかもしれない。

 しかし、この少なさを見て逆に行こうと思う人もいるかもしれないのにどうしてそういう観客心理が分からないのだろうか?

 さらにどんなに入場者数が少なくても、入場者数表示を始めた以上は、仕事は仕事としてこなすべきであり、そこに信頼が生まれるはずなのだが、今回のようなこういう気まぐれな対応は非常に信頼性を損なう。
こういった一貫性のない対応がさらに人を遠ざけることに気がつかないのだろうか?

 まあ、この対応は商売に腰が落ち着かなく短期で商売をくるくる替える上海人そのままといえばそれまでだが、それにしても堪え性がない対応である。
 このままでは、目標の7000万人にはるか及ばないから途中で打ち切りたいなどということを言い出しかねない。日本人だとこれは冗談になるが、中国の場合は冗談ですまなく本気でそういうことをするから怖い。

 しかし、そうなれば国際的信用はガタガタである。
開催した以上、何とか最後までやり遂げる、そういった対応こそ国や国民の信頼に繋がる。たかが半年の会期、そのくらい期間、あの手でこの手で改善しながら耐えることを学んで欲しいものである。
 そうすればもし結果的に今回が大失敗だったとしても、半年の損失なんか安い授業料だったと思えるほど大きな信頼と利益を後々得ることが出来るはずである。

 そういったところが試されているのがこの万博のような気がする。



プロフィール

1971年千葉生まれ。大学時代は水戸で過ごす。
高校時代テレビで見た高泉淳子に影響され演劇の世界に踏み入れ、以後アマチュア劇団で舞台音響専門として過ごす。就職は一般企業にするものの、趣味が高じて休日にブライダルで音響活動を続け500組近くのカップルを見届けてしまう。
自身は無類のクラシック音楽好きで日本時代は年間120本以上のコンサートに通った時期もある。
 また旅好きでもあり、日本47都道府県はもとよりイギリス、フランス、スペインなど舞台を求めて世界を旅した。
 数年前一つの恋がきっかけで中国語を学び始め、上海に渡ってきた。
まったくの新天地で日々悪戦苦闘中。

音響さんのこだわり復刻版
上海ワルツ記事目次
エクスプロアブログ同窓会


GOOGLEでブログ内検索

ブログランキング・にほんブログ村へ



空港ドットインフォブログ浦東空港虹橋空港北京空港広州空港香港空港天津空港青島空港ハルビン空港すいすいビザ

コメント一覧


記事タイトル一覧

カテゴリ一覧


RSS 1.0My Yahoo!に追加




上海すいすいビザ代行][空港ドットインフォ][上海の天気][音響さんのこだわり][上海ガイドブック手帳][日中地域交流会
[上海浦東国際空港][北京首都国際空港][天津濱海国際空港][広州白雲国際空港][上海虹橋国際空港][青島流亭国際空港]
Copyright(C) since 2007 カランドリエドゥモンド
h_12