もともとこのアベノミクスという経済政策というか、掛け声は好きではなかったが、日本の経済の現状を考えたら、好き嫌いを別にして日本の景気回復の足掛かりになってくれればと思っていた。
故にやり方は好きではないが決して崩壊を望んでいたわけではない。
しかし、この半年間続いてきた勢いに陰りが見え始め、急激にブレーキがかかっている。
先日発表された「成長戦略」は修飾語ばかり多くて中身が何もないようだと専らの評価になっていて、それと呼応するかのように株価が下落、円高もものすごい勢いで進んでいて、今朝もNY市場で円が95円まで戻ったとのニュースが伝わってきた。
10年後に所得150万円増などと言う言葉も、ある評論家に言わせると一見大きい数字のように見えるが年率換算で3%未満に過ぎず、世界の経済成長の平均は4~5%なのに3%が目標では情けなさすぎるということらしい。
そうでなくても現在の金持ち優遇政策では10人のうち9人は変わらず1人だけが1500万円増える政策だと揶揄される声もある。
また日銀のインフレターゲットが年率2%なら実質経済成長率は差し引き1%となり、1%ならこれまでも達成してきた数字と何も変わらず、今回の目標は実は何もしない宣言として受け取られかねない数字なのだという。
つまり絵に描いた餅どころか、餅の絵さえ描けていないのが今回の経済戦略のようである。
この半年間、期待感だけ先行して円安や株高が先行してきたが、どうにも中身が伴わないのが見えてきており、期待感が高かった分だけ非常に危うい状態になってきている気がする。
しかも元に戻るだけならいいが、財政出動した分だけ国債残高は増え、長期金利まで上昇していて、既に同じ場所には戻れなくなっている。
発足した当時から政権奪還に浮かれた危うさをこの政権に感じていたが、やはり、そろそろメッキがはがれつつあるように見え、目前の参議院選挙さえ先行きが危うい状態になっているのが現状のようだ。
ただ、政局的な視点で現政権を批判をするのは簡単だが、アベノミクスの崩壊は日本の崩壊にも近い意味があると感じており、どうにか最悪の状態だけは避ける手を打ってほしい思っている。
←クリック
←クリック