いわゆる一般のテレビ放送ではなく、バスの中で流れているあの映像放送のことである。
中国は上海で暮らしていても滅多に正確な時計に出会うことはないので、普段はパソコンの時計合わせソフトやテレビ放送を基準に自分の時計を合わせている。
といっても腕時計を持つ習慣がないので携帯の時計がせいぜいであるが、、、。
まあそれはともかくとして、幾ら時間に適当な中国社会とはいえ、放送局の時計には絶対の信頼を置いていた。
　少なくとも日本人なら、日本のNHKの時報にはほぼ絶対の信頼を置いているはずである。
確かNTTの時報放送のずれをNHKの職員が発見したという逸話を聞いたことがる。そのくらい放送局の時報は正確で信頼がおけるものとのこと。
　ところが、今回の中国の放送「CCTV移動媒体」の時計はなんと15分もずれていた。これには驚いた。
　自分の携帯と見比べて15分も放送の時計が遅れている。もしや自分の携帯が狂ったのだろうかとも考えたが、私はまめに時刻あわせをしているので携帯の時計が遅れることはあっても進むことはまず考えられなかった。
　

　また、この時刻の表示が、放送局から送られてくるものではなくモニター内臓の時計であることも考えられなくはなかったが、どう見ても放送局発の映像のようである。
　日本では、最近地上波デジタル放送の時報が、デジタル処理時間の都合で、NTTの時報サービスと数秒ずれことが話題になっているが、それとて数秒の話であり、15分ものずれが本当に生じているのだとしたら異状としか言いようがない。この放送の時刻を正確だと信じて行動してしまったらエライ目にあってしまう。
　このバス内放送の時計が、放送局の時刻なのかモニター内臓の時計なのか、今のところ確認できていないが、少なくとも信頼の置ける時刻表示ではないことはこれではっきりしたと言える。
　そういえばオリンピックの生中継でさえこの国は「万が一」に備え、何秒とか何分とかのディレイ放送を行っていたことを思えば、テレビの時報さえ必ずしも信頼できるものではない。
　こうなるともう、正しい時刻に関して中国国内に信じられるものはない気がしてしまう。
　ネットを通じて外国の時計で時刻あわせをするほか正確な時刻を得る手段がないようである。
　こんな風に時刻でさえ国内には何が正しいかを図る物差しがなく、外国にその物差しを求めなければ正しさがわからないという中国というのはとても悲しい国のような気がする。
　まあそんな正確な時刻がなくとも、皆あまり気にしていないというのがこの中国の良いところといってしまえばそれまでなのだが、、、、