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2013年01月24日 二枚岩の政治
 先日、日中関係に関して公明党の山口代表が事実上の尖閣問題の棚上げ論を発言した。

 これはとても興味深い動きである。

 この問題に関しては、昨年9月より日中双方譲れない状態が続きお互い引っ込みがつかない形となっている。

 領土の問題だからどちらも譲れるわけもなく、どちらも折れるわけにはいかないので、究極的には戦争でしか解決できないような課題である。

 しかも日本に至っては領土問題そのものが存在しないとの立場を取っているから、棚上げ論すら話題に上げられず、話し合いすら容易に応じられない状況となっている。

 迂闊に棚上げ論に同調すれば、今度は国内の強硬派の突き上げが待っているから与党の自民党としても容易に立場を変えられないだろう。



 そこで今回の公明党の代表の発言である。

 この状況は、本来なら日本の立場が1枚岩になってないと非難されるような状況であるが、実は連立与党が別々の発言をすることにより2枚岩というか都合の良いダブルスタンダードの状況が生まれている。

 公明党は連立与党であり日本政府側の立場を取るべき党であるが、首相を出している自民党とは別の組織なので、党として自民党と全ての考え方一致していなくとも何ら不自然ではない。

 もちろん領土問題を完全に認めない立場を貫く考え方の人からは多少の非難は有ろうが、首相サイドが語る日本のスタンスと少しずれた発言をしたとしても連立与党の従属側の党首でしかないから政府の立場で話したことにはならない扱いとすることはできる。

 しかし振り返って中国側から見れば、例え首相側の与党ではなくても日本の政権与党の党首が発言したことは、日本政府側の一つの意思が示されたと扱うことはできるのである。


 このずれというかグレーゾーンの出現は日中両国にとって外交的チャンスのような気がする。

 つまり中国側としては山口代表の言葉を日本政府の譲歩のきっかけとして棚上げ的解決へ進めばよく、自民党サイドは政府として領土問題は存在しないとの立場を変えることなく中国側の動きを待てば、事実上のかつての棚上げ的状態へ戻すことが可能になる。

 具体的には公明党の代表が、それを以て中国側が政治的な譲歩を得たと国内にPRできる材料を、あいまいな言葉で中国側に与えることによってお互いに尖閣諸島に近づくのを止めて、危機的状態を回避する合意を図るような道筋があるような気がする。

 まあ本来私は自民党も公明党も特に支持している政党ではないが、もしこのダブルスタンダード状態をうまく利用して状況を解決できたとしたらちょっとだけ尊敬してしまう。

 とにかく一日でも早い解決を祈っている。


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プロフィール

1971年千葉生まれ。大学時代は水戸で過ごす。
高校時代テレビで見た高泉淳子に影響され演劇の世界に踏み入れ、以後アマチュア劇団で舞台音響専門として過ごす。就職は一般企業にするものの、趣味が高じて休日にブライダルで音響活動を続け500組近くのカップルを見届けてしまう。
自身は無類のクラシック音楽好きで日本時代は年間120本以上のコンサートに通った時期もある。
 また旅好きでもあり、日本47都道府県はもとよりイギリス、フランス、スペインなど舞台を求めて世界を旅した。
 数年前一つの恋がきっかけで中国語を学び始め、上海に渡ってきた。
まったくの新天地で日々悪戦苦闘中。

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