中国のローカルの不動産屋は少々乱暴だ。
まあ中国の住宅事情がそうさせている面もあるが、立地云々は関係なくまず部屋そのものの状況だけで契約の決断を迫ってくる。
どの住宅エリアの何階で、部屋の数は幾つで家賃は幾らか、そして内装は綺麗かどうか?、、、基本的にはこれだけで部屋を見に行き、着いて部屋を見たらその場で借りるかどうかの決断を迫ってくる。
本来はそこで生活するかどうかをこちらは選択するわけだから、部屋だけの条件が良くても、周辺の環境が生活に便利かどうかも含めて総合的に判断しなければならない。
故に、交通の便はどうか、買い物は便利か、銀行は近いか、病院は近いか、或いは近所の雰囲気はどうか?など周囲を観察してそこへ住むことに馴染めるかどうかが重要なポイントになる。
こちらはこういった色んなことを総合的に勘案して最終的に住むところを決めたいのに、ローカルの不動産屋はそういった判断をする時間を与えてくれようとしないのである。
こちらがまあまあいい部屋だなと感じても、慎重にその場での判断を避けようとすると、
「こんないい部屋は他にない、明日にはもう他の人が借りる」
などと、脅迫的に決断を迫ってくる。
確かに中国の部屋の場合は、客が部屋を見て気に入ればその場で決めてしまうケースがほとんどのような気がする。
しかも、限られた予算の中で動くとこちらにとって理想的な条件の部屋が2~3戸あるような事はまずなく、色んな妥協と試行錯誤で納得できる部屋は1つあればいい方なので、部屋の状況がよければその場で決めてしまわないと魚を逃す可能性があるのは事実なのである。
逆に2~3の部屋を見て部屋が気に入らなければ、不動産屋を変えるのが普通なので、なかなかOKが出ないと不動産屋も焦って必死になり、客に逃げられたくないという意識からムキになる先方の事情も理解できなくはない。
されどやはり、客としては少なくとも1年はそこに住んで生活することを覚悟するからには、それなりに納得してから決めたいのがこちら側の希望である。
今回、幸いにも不動産の移動が少ない時期を選んで行動しているお蔭で、一度保留しても他の客に取られるリスクが少ないため、そういった不動産屋の脅し?にも屈することなく部屋探しが進められている。
不動産屋の方もこの暇な時期の貴重な見込み客だと思っているらしく、幾つもの物件を見ても全て保留するこちらに対して、ぶつぶつとかなり辛辣な文句を言いながらも根気よく付き合ってくれている。
まあ日本的な客商売の物差しで見ればこの不動産屋はダメダメだが、無理な条件を言っているのはこちらも同じなので今回はヨシとしている。