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2013年02月28日 日本人と中国人の時制感覚のずれ
 日本人と中国人で物の考え方が圧倒的に違うなというのは時間軸の捉え方のような気がする。

 中国語にはよく過去形がないと言われ、英語のように過ぎ去った動作に対する表現がうまく出来ないと言われる。

 動詞の後に「了」をつければ過去形になるように思われている人もいるが、これは正確でなく「了」は動作の完了を意味する完了形であって、過去形のように使うことはできても正確には過去形ではない。

 何故なら未来のことでも「了」をつけて未来完了形的表現をすることが出来るからである。

 そういった中国人たちの感覚の中にも日本人と同様に「過去」「現在」「未来」というカテゴリはやはり存在し、まあ基本的には意味もほぼ同じようなのだが、実は日本人と中国人ではその言葉の範囲がだいぶ違う気がする。

 中国人にとって過去とは、現在ではない過ぎ去った時間の全てであり、未来とは現在ではない未だ来てないこれからやってくる全ての時間ということのようだ。

 この「現在ではない」というのが中国人の時制感覚というか考え方の基本を捉える上で一つのポイントとなり、つまり現在以外は全て過去か未来であり、現在との関係を特に必要としないのが中国語と中国人の時間感覚であり、現在に直接影響するものは全て「現在」なのである。

 これに対して日本語においては「過去」というと実は時間軸上のある特定時期を指している場合が多く、同様に「未来」と言えば時間軸上のある特定時期を指している場合が多い。

 何年前とか何年後とか、数字そのものははっきりせず漠然としたものであっても過去や未来という言葉にはある範囲が意識されて存在する。

 そして、日本人にとって現在とその特定の過去や未来の時期との間には「時間」が存在し、その時間の間には「変化が存在する」ことをきちんと意識するのが日本人の感覚で、日本人の場合は「過去から現在」「現在から未来」といった具合に時間の流れを非常に大事にする。

 特に過去に発生したことが現在に影響する場合、日本人は現在までの流れがどうなっているかを重要視し必ずしも現在に固執しないが、中国人たちは過去の流れはどうでもよく現在のみに固執するのがおおよその彼らのスタンスである。

 よく中国側から日本に対して歴史問題がふっかけられているが、あれは中国人達が現在において過去の事象を持ち出すことにメリットがあるから持ち出すのであって、過去の問題と言いながら実は現在の利益のための取引材料になっており、中国人そのものは過去にはあまり興味がないのが本質のような気がする。

 日本人にとっては、その過去(例えば戦争中)から現在までの時間の流れを見てもらえば、いかに日本人が過去を反省し真面目に平和に取り組んできた面があるかは理解できるはずだとアピールしたいところなのだが、上述のように途中の流れはどうでも良いのが中国人で、現在でもそのネタが使えるなら使って圧力をかけてくるのが中国人達である。

 未来に対しても同様で、日本人はある未来に向かって動いていることが重要で、未来のある時間まで現在の状況が続くこと(例えば勤務)を前提に、分割払いの約束などをすることができるが、中国では原則未来は信じておらず、信じられるのは現在だけのようで現在確定できる範囲でしか取引しないのが中国人達の習慣である。

 契約時点でどうかというよりも未来のことは未来になったときに判断されてしまう故に、物の取引は現金主義・物々交換が主流でどうなるか分からない未来に対する信用取引はなかなか浸透しない

 こういった日中間の時制感覚の違いは日常ここで生活して大分慣れてはきたが、やはり時々戸惑うことがあり、乗り越えにくい日中間の壁の一つである。

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間違えました。
投稿者:富田 2013年03月02日 投稿番号:51506

過去完了ではなくて、現在完了でした。話の筋とはあまり関係がありませんが・・・。

中国語の場合、
投稿者:上海ワルツ 2013年03月01日 投稿番号:51484

動詞の過去形ではなく、10年前などと過去の時代を設定した上でその時を「現在」とした現在動詞と完了形を表現しているので動詞として過去形や過去完了形を示したものではないでしょうね。
 まあ強いて言えば「来過」とか「過来」といった使い方の「過」の字が過去形や未来形に近い形を作っているものと思われますが、厳密にはこれは時間の流れを挟み込むものですから、やはり過去形とはまた別の形だと思います。
 あと歴史史実の捉え方でですが、本当は中国では日本との戦争の後に、その戦争以上の悲劇的な事件が国内で幾つか発生していたのに、そこへ目を向けず日本にだけ現在の因果を求めている時点で、過去と現在は断絶しており、やはり現在のため(国内統一とか利益要求とか)の過去の史実の意図的な取り上げであって、過去と現在の因果関係などというのは本質的には意識していないのだと思います。

じゃあ、私も独自の見解を!
投稿者:富田 2013年03月01日 投稿番号:51471

過去はなくて、過去完了があるということだと解釈したいですね。

そして、中国人は、現在の全ては、過去に基づいて発生したものだと考えている。

中国人が現在、十分に豊かさを享受できないのも、日本人が過去にやったことが生み出したものである。だから、現在が変わらない限り、過去の清算もされないのだと。このような感情ではないでしょうか。だから、犯罪にも時効がないのが主流なのでしょう。過去は過去と割り切れる日本人との違いがここにあるのではないでしょうか。

はじめまして
投稿者:とよじ 2013年02月28日 投稿番号:51469

仰るとおりかつ僕個人的意見では「今」ここに長けてる文化かと^^




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プロフィール

1971年千葉生まれ。大学時代は水戸で過ごす。
高校時代テレビで見た高泉淳子に影響され演劇の世界に踏み入れ、以後アマチュア劇団で舞台音響専門として過ごす。就職は一般企業にするものの、趣味が高じて休日にブライダルで音響活動を続け500組近くのカップルを見届けてしまう。
自身は無類のクラシック音楽好きで日本時代は年間120本以上のコンサートに通った時期もある。
 また旅好きでもあり、日本47都道府県はもとよりイギリス、フランス、スペインなど舞台を求めて世界を旅した。
 数年前一つの恋がきっかけで中国語を学び始め、上海に渡ってきた。
まったくの新天地で日々悪戦苦闘中。

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