中国の料理というのは高級な宴会料理を除いて、一般的なお店で食べると皿や器が貧弱というか貧粗な印象がある。
酷い物はステンレス皿、まあちょっとマシなやつだと樹脂の皿になるが、何度も暑い油料理を載せられ、粗いスポンジでゴシゴシやるものだから皿に傷がついたりして薄汚れた皿の料理が出て来ることが良くある。
まあ私も中国が長くありつつあるので、そういった皿や器にもだいぶ慣れっこになったが、先日そういった器の貧弱さの究極のような料理を見つけた。
今回見つけたのは中国版の吉野家ともいうべき「真功夫」というチェーン店である。
頼んだ料理は酸菜鹵肉饭というセット料理で31.5元だった。
そこでお盆に乗って出てきたのが写真のようなアルミ皿の料理である。
渡された段階で、既にアルミホイルの蓋がされており、まるで航空機の機内食の様相だったのだが、蓋を開けてみると皿もアルミ皿だったのである。
これにはちょっとびっくりである。
店内をよく見るとレジの後ろの陳列棚は保温棚になっていてアルミの蓋を被った料理が沢山並べられていた。
どうやらそこから注文のセットごとに必要な料理を取って組合せてお客さんに提供しているようなのだ。
スープまで同様のアルミお椀に入って出てきた。
確かにこうやってアルミ皿に入れておくことによって伝熱効果の面では抜群ともいえ、予め小分けに作っておけば、暖かい状態で客へ提供することは可能だ。
実際食べてみると非常に温かく、味もそこそこいける味になっていてこの価格帯の物としては上出来とも言える程だった。
されど、このアルミ皿である。
これが飛行機の機内食だったらいい味だったと手放しで褒めるのだが、今回地下鉄駅構内の店で、準ファーストフード的とも言えるお店であったとはいえ、一応店舗内で食べる食事なのに、このアルミ皿は無いだろうと感じだった。
温かさのために、皿が犠牲になったとも言えるが、それがOKになってしまうのがこの中国なのかなぁと、改めて中国と日本の認識の違いに驚かされる今回の料理だった。