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2011年04月24日 役立たずの防災マニュアル
 少し古い話題になるが、管総理が集めたという今回の震災の防災復興会議について、会議の冒頭でいきなり「復興税」の話から入り、議論が紛糾したとのニュースが伝わっている。

これを聞いて
「なんだ、復興のビジョンを探る会議ではなく、お金の集め方、つまり税金をどうやって上げるかの布石のための会議かよ」とがっかりしたものである。

 どうも日本のお役人というか、政府首脳や官僚たちはお金を集めることとお金を使うことにしか頭が回っていないというか、そういう方法しか防災に対して手段を知らないような気がする。

 その象徴が、日本の政府や自治体が作る「防災マニュアル」である。
住民の安全を守るためのマニュアルといいながら、その実は予算を使う安全設備のための「言い訳のためのマニュアル」が非常に多い。
故にそれらのマニュアルは「設備が想定する災害」の範囲内でしか機能せず、想定を超えた途端に全く機能しなくなる。

 実際、今回の震災で避難所とされた体育館に逃げ込んだ結果、「想定外」の津波に巻き込まれて避難所ごと犠牲になった事例があったと伝わっている。
 今回の原発事故でさえ、津波で外部電源が機能しなくなるのは想定外だったようだが、想定を超えた場合の物事が何も決められていなかった点は「お役所仕事」の最たる点で、安全が絶対神話のように語られ続けた結果の今回に退避指示対応は住民が非常に気の毒である。

 また防災・救援体制にしても、行政機能が働いていることを前提でしか組まれていないものであるから、今回のように行政機能ごと失われたような場合はほとんど機能しない状況になっていて、救援物資が満足に届けられない状況になっている。

 つまり本来なら一つの良い教訓にできたはずの、たった16年前に起きた阪神淡路大震災の教訓が、実は行政側にはあんまり役に立っていないような気がする。
 神戸などの地元の状況は知らないが、少なくとも国家レベルであの後に行なわれたことは予算を使って「耐震性を強化」することばかりだった。
 ハード面ばかりに目が向けられ、災害に強い街の名のもとに耐震性のあるハコモノばかり予算がつぎ込まれた印象しかない。
 それらの設備が無駄だとは言わないが、少なくとも今回の災害対応を見る限り「災害発生時の行動の教訓」や「復興のための足取り」など、人の知恵のソフト面が日本政府の中に活かされていないのは確かだろう。
故に現在、現政権の管首相の責任ばかり追及されているが、阪神淡路大震災のあと何も残せなかったその後の与党の責任も決して軽くない。

 今回の津波災害で「津波てんでんこ」という三陸地方にある教えが非常に役に立ったという話が伝わっている。
「地震が起きて津波が来そうな場合は他人に構わずとにかくてんでばらばらに逃げろ」という教えである。
 これにより釜石市で3千人近い小中学生が教師の指示を待たずに逃げ出した結果、ほぼ全員助かったのだという。
 堤防というハード面の防災設備もあったが結果的に破壊され役にたたず、安全を信じず逃げた結果が功を奏した形となっている。
マニュアルに従って校庭に集まって集団避難をしようとして津波にさらわれてしまった石巻の大川小の悲劇と対照的な結果である。

 実は「とにかく自分の身は自分で安全を確保しろ」そういう教育を釜石市で徹底的に行なってきた群馬大学の片田教授という方がおられるそうなのだが、そういったソフト面での今回のように実績をあげてた方が、今回の復興会議には呼ばれていないそうだ。

 どうもやはり「お金のこと」だけを話し合えば復興に向かうと考えているのが政府・官僚の考え方らしい。
 そんな未だにソフト面に目を向けない政府官僚がたちが作る「防災マニュアル」がどれだけ役に立つというのだろうか?非常に疑問を感じざるを得ない。
 こんな政府の姿勢が何も改まっていないうちに、最近あわてて配布されているマニュアルや開催されている安全セミナーなんぞとても信用する気になれない。
 普段から何もやっていなかったことに対する免罪符的な、マニュアル製作者や開催者、受講者たちの自己満足のように私の目には映る。

 従来の見方を改めないまま、いま急に中途半端なマニュアル的安全性や対応を語って「やっぱり想定外だった」では人の命は取り戻せないのである。




教えてください
投稿者:山田 2011年04月27日 投稿番号:36893

突然ですが、連休明けに上海に出張します。
趣味がクラシック音楽と共通であったので、メールさせていただきました。
今回、14日を超える滞在ですので、ビザを申請するのですが、どこでおこなうか教えていただけないでしょうか。また記事を拝見しますと印刷関係のお仕事をされておられるのではないかと思っていますが、包装材のメーカーを探しております。
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プロフィール

1971年千葉生まれ。大学時代は水戸で過ごす。
高校時代テレビで見た高泉淳子に影響され演劇の世界に踏み入れ、以後アマチュア劇団で舞台音響専門として過ごす。就職は一般企業にするものの、趣味が高じて休日にブライダルで音響活動を続け500組近くのカップルを見届けてしまう。
自身は無類のクラシック音楽好きで日本時代は年間120本以上のコンサートに通った時期もある。
 また旅好きでもあり、日本47都道府県はもとよりイギリス、フランス、スペインなど舞台を求めて世界を旅した。
 数年前一つの恋がきっかけで中国語を学び始め、上海に渡ってきた。
まったくの新天地で日々悪戦苦闘中。

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