中国にきてから久しく待ち望んでいたステレオミニコンポを先々週ようやく購入した。
日本から音楽のCDを数十枚持ち込んでいたいのだが、なかなかそれらを満足に聴ける環境がこの5年の間、ほとんど整えられぬままにここまできてしまった。
ノートPCのCDドライブは壊れたし、DVDプレーヤーもあるにはあったが、DVDプレーヤー、テレビともに音声端子に余裕がなく、ヘッドフォン端子もついていなかったので、結局は外部スピーカーの環境も準備できなくテレビのスピーカーを通して聴くほかなかったのである。音楽を聴くたびにテレビをつけるのも面倒で音質の面でも不満が多かったので本当にたまに鳴らすだけに留まっていた。
しかし最近そんな環境に耐えられなくなり、ようやくの重い腰をあげて電器屋へ買いに行った。
とにかく高級品はいらないからCDの音楽を楽しめる機器、ヘッドフォン端子で音楽が聴ける機器を探しに行ったのである。
最初はCDラジカセを想定していたのだが、先日スーパーで見たら安いコンポならCDラジカセとあまりかわらない価格で買えるということがわかりコンポを購入することにした。
そして見つけたのが299元のCDミニコンポである。コンポといってもDVDやCDが再生できるドライブとラジオとスピーカーがついただけのものである。
ヒュンダイ(現代)製で、まあ写真のように赤と黒のデザイン性も何もあったもんじゃない外観だが、今の私にはとにかく機能があればそれでよかった。
さて買ってきて早速音楽を鳴らしてみた。
このコンポはスピーカーの形が意味なく長方形で、無用に重低音を強調しようとしており、音質がにごっている。ドラムの重低音の響きを楽しむだけのロック系の音楽ならこれでもよいのかも知れないが、繊細さを必要とするジャズやクラッシクの音楽を鳴らしてもこのスピーカーではかなり音が濁ってしまう。実は中国のCDには意味なく馬鹿の一つ覚えのように重低音を強調した音質の悪いCDも横行している。どうも意味の無い重低音信仰が中国にはまだまだあるようだ。本当の意味で音楽の美しさを聞き取れていないのが中国の実情ということであろう。
さて、この音質の低さは299元ならば仕方ないところであるが、それでもテレビのス ピーカーで聞くよりは全然マシであるのも確かである。
とにかく、このコンポを買ってきてから毎日日替わりでCDをかけて音楽を聴いている。日本の実家にはまだ1000枚以上のCDが眠っており、今回ようやく中国の家で音楽を聴く体制が整ったので、また帰国するたびに少しずつ運ぼうかと考えている。