中国には、日本にない身分証制度というものがあり、戸籍に登録されている大人はほぼ全員身分証カードを持っている。
「ほぼ」と書いたのは、一人っ子政策の下で戸籍に登録されていないような人もいるため100%とはならないはずということだが、まあ普通に生まれて戸籍に存在する16歳以上の国民は全員身分証を持っているようだ。
この身分証に書いてある内容は、姓名、性別、戸籍住所、生年月日、民族、身分証番号などであり、顔写真もついている。
で、この身分証は5~6年前にICカード化したことにより、単なる身分証明の枠を超えて、日常で非常に便利に使われるようになった。
(余談だが、このIC身分証は日本で印刷されているという噂がある)
例えば、中国の鉄道の乗車券はこの身分証がないと乗れないことになっているが、逆に座席を予約した後は、チケットレスで身分証だけで改札を通れたりする。
あるいは銀行の取引きなどもこの身分証でできたりする。
特にインターネットを通して行う取引や登録にはこの身分証がよく使われ、たいていは番号の登録が必須であり、IT化が進んだ中国社会では不可欠なものとなっている
しかし、このようにIT化の進展により身分証の重要度が上がってくると、実は身分証を持ってない私のような外国人はその発展の蚊帳の外に置かれつつある状況が生まれている。
まあ中国での大方の用事はパスポートを身分証として提示すれば、何とか中国人たちと同様の結果は得られるものとなっているが、途中の便利度の享受という意味では身分証のあるなしで、大きな差がつけられている印象なのである。
その一つが上記でも触れた鉄道切符の購入であり、中国での鉄道切符のネット予約や駅での自動券売機利用での購入には身分証の利用が必須となっているため、身分証を持たない外国人は窓口に並ばなければならない状況となっている。
これは切符を買うたびに感じている非常に面倒な点であり、外国人にも身分証を用意してもらえないのだろうかといつも思ってしまう。
この外国人の証明関係について日本の状況を見てみると、日本国内にいる外国人に対しては外国人登録証というものが発行されており、一通りの身分証明はこの外国人登録証で済むことになっている。
まあ、日本は鉄道に乗るのに身分証明書は必要としないが、銀行口座の開設などの手続きにはこの外国人登録証が効果を発揮する。
こうやって考えると、やはり中国でも、外国人居留証など長期滞在ビザを得ている外国人には「外国人身分証」たるものを作って、鉄道利用などが出来るようにしていただくと非常に便利になるのではないかという気がしている。
そうすれば、駅の窓口の行列などは確実に減らせるはずであり、ちょっとした外出くらいではわざわざパスポートを持ち歩かなくても済むようになると思われる。
まあ外国人の身分に関する法律などは、国家の大枠であるため、おいそれとは物事が進まないかもしれないが、ぜひ検討してほしいこの「外国人身分証」である。
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こんにちは
自分は在日中国人なのですが
自分が日本にきた頃
まだ中国には身分証カードがなくて
自分は一度も作ったことがないのですが
作ることはできるのでしょうか?
「外国人永久居留証」を持っている外国人に対して、「外国人永久居留証」に「身分証」と同じ機能を追加するのが現実的かもしれないと思います。
宋さま
そうかもしれませんね、中国側が必要を感じるかどうかですね。
上海ワルツ