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2013年12月06日 結局に和食にたどり着く
 日本の和食が世界無形文化遺産に認定されるとのニュースが耳に入った。

 認定の理由として、日本文化の年中行事と密接に結びついているだの、自然を尊重した旬の食材を使うとか、美しい盛り付けなどが取り上げられており、まあ我々としてはどれも当たり前のことでしかないのだが、日本人としてはいつも食べているものが素晴らしい物だとして再評価された訳で、無形文化遺産そのものの必要性は感じなくとも、評価されて悪い気はない。

 それに無形文化遺産という評価は別にしても、和食というのは考えれば考えるほど、素晴らしい食文化だという気がしてくる。

 以前も同じような事を書いたかもしれないが、中国ではよく漢方の考え方で、医食同源などという言葉が仰々しく取り上げられ、やれ夏にはこれを食え、冬にはこれを食えなど学問的に押し付けがましい態度で教えを説いて来るが、実は和食はこれらの考え方を既に内包しているのではないかと思うのだ。

 つまり、中国のように今更わざわざ学問的に健康を押し出さなくても、和食では季節季節で旬の素材で献立が組み立てられており、旬の時期に旬の美味しい物をバランスよく食べるだけで中医学などでいうところの季節に必要なものが取り入れられ、自然と栄養バランスが整うようになっているという気がするのである。

 もちろん、この和食の成立過程にはこういった中国の食文化の考え方を取り入れてきた経緯もあるかもしれないが、今となってはそれらを見事内包して完成されている気がしており、敢えて栄養サプリの如く無理やり健康に良いとされる食材を取り入れなくても、自然な形で季節ごとの献立で摂食するだけで健康な食生活になるように整えられているのが和食だと思われる。

 まあ学問的に細かい検証を行なったわけではないが、伝統医学などと形式ばって学ばれているものは実はほとんど和食の中に存在しそうで、旬に採れるものを使った季節の献立そのものが健康を保つ食事となっている印象である。

 つまり敢えて「健康のため」と力まなくても健康を保てる食事、それが和食だという気がしており、そういった健康に関する食の知恵が無数にちりばめられている和食はやはり素晴らしいということになる。

 私も物好きなので世界の各国の料理を口にしてきたが、生まれ育った食事だということを別にしても結局最後は和食にたどり着きそうだという気がしている。



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プロフィール

1971年千葉生まれ。大学時代は水戸で過ごす。
高校時代テレビで見た高泉淳子に影響され演劇の世界に踏み入れ、以後アマチュア劇団で舞台音響専門として過ごす。就職は一般企業にするものの、趣味が高じて休日にブライダルで音響活動を続け500組近くのカップルを見届けてしまう。
自身は無類のクラシック音楽好きで日本時代は年間120本以上のコンサートに通った時期もある。
 また旅好きでもあり、日本47都道府県はもとよりイギリス、フランス、スペインなど舞台を求めて世界を旅した。
 数年前一つの恋がきっかけで中国語を学び始め、上海に渡ってきた。
まったくの新天地で日々悪戦苦闘中。

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