上海の地下鉄2号線が春節を挟んで1月23日から2月2日まで、淞虹路駅から徐涇東駅の間で運休することになった。
ただし、この運休を伝える表示は、虹橋2号航站楼駅~徐涇東駅が運休すると書かれている。
これは以前もこの区間の開通時に私自身が「未開通区間の表示の違い」で書いた通り、中国では両側の駅で区間を示すのではなく、駅という点が休止するということを案内する習慣となっているので、上記の案内も、日本風に表現すれば淞虹路駅から徐涇東駅の区間が運休となるという理解で正しく、図もそうなっている。
しかしながら、上海虹橋国際空港と上海虹橋駅の両方に接続する2号線が、この時期に運休となるのは結構重大な状況であり、帰省の足に影響が大きいと考えられる。
一応公式的にはトンネルの補修ということになってはいるが、11日間を考えるとただならぬ運休規模である。
以前、人民広場駅がやはり工事のため4週間ほど休止になったが、今回の工事規模はそれに匹敵する。
果たして単なるトンネル補修工事だけなのだろうか?
そこで、2号線の大規模運休が必要になりそうな工事要因を少し推測することにした。
① 空港連絡線の乗り入れのための構造強化
現在、上海虹橋国際空港と、上海浦東国際空港を結ぶ空港連絡快速線の建設工事が始まっており、虹橋枢紐でも虹橋2号航站楼駅と虹橋火車站駅の間で受け入れ工事が着手されている。
そして、その地下を走る2号線にも影響があるので柱の基礎工事など補強工事が必要になったのではないかと推測される。
ただしこの条件は10号線も同じであるが、今回は10号線が対象となっていない。
② 徐涇東駅の機能強化
国家会展という巨大な展示場を抱える徐涇東駅だが、あれだけの規模の施設の来場者を支える駅としてはかなり平凡な駅であり、1面2線と容量も少なく心もとない。
昨年の輸入博などのような大規模イベントがあればあっという間にパンクしてしまう。
そこに駅の規模を拡大して増発にも耐えられる施設への改造があるのではという推測。
③ 新駅構想
淞虹路駅から虹橋2号航站楼駅の間は結構距離が長く10分ほど駅の無い区間が続く。
しかし、その地上にはオフィス開発が進んでおり、新たに駅を設置しても不思議では無いような環境にはなっている。
しかし今のところ地上ではそのような駅が出来そうな工事をやっているところはみつけられない。
このように探っていけば、色んな理由が推測できるが、特に当局が大きく発表していない点を考えると①の理由だと考えるのが合理的かなと思える。
10号線側は機会を改めて実施するのではないかと推測するのである。
果たして春節明けに正解はわかるのか、工事が終わってからのお楽しみである。