上海に来てから何度か勤務先を変えているが、私は上海では外国人なので、転職の度に滞在ビザの変更手続きをしなくてはならない。
以前はそれほど難しい手続きではなかったが、数年前に始まった現行制度により手続きにかなりの時間がかかるようになってしまった。
ざっくりいうと前職の許可取消しに一週間、新勤務先の労働許可(工作許可)に3~4週間、さらに滞在ビザの手続きに10日ほどかかるので、トータル1.6か月ほどかかってしまう。
しかも、先日出された規定によると、これらのビザの手続きが完全に完了してからでなければ勤務を開始してはいけないと厳しく規定されたとのこと。
まあ法律の原則論や手続きとしては、これらの現状や規則は理解しないでもないのだが、当の労働者にとっては、なかなか厳しい制度である。
何故ならばこの手続きをしている期間は働けないのであるから、当然収入が得られず無収入の期間となってしまい、生活をつなぐ必要が出てくる。
まあ一か月程度のインターバル期間を繋げない状況というのは、個人のリスク管理としてはダメダメなのであるが、それは別にしても一か月以上もの何も出来ない時間というのはやはり結構無駄な印象である。
一時的に日本に帰ろうにもパスポートを手続きに使用するので入出国のタイミングの確保は容易ではなく、しかも今はコロナ禍で、チケット代も隔離やワクチンなどの往来環境もハードルがもの凄く高いため身動きが取れない。
一方で私のような一般労働者(B類)の手続きに時間がかかるのに対して、よく言われるノーベル賞級の人材とされるA類の手続きは優先的に短期間でできる仕組みになっている。
この制度設計の意味も分からないではないが、そういったA類の方は収入の面では多少の時間止まっても不都合ではない方のような印象なので、手続きを急ぐ必要のない状態という気もする。
むしろ一般労働者である私のようなB類の許可の方が、業務状況的にも収入的にもあまり空白を作れない立場のような気もするが、実際はA類よりB類の方が時間を要する。
(やや僻みが入っている感想だが)
中国の労働法は日本より労働者保護の観点が結構強いが、外国人に対してはどうも別扱いの要素が大きいようで、周囲の中国人たちや日本で働いている時よりも厳しい環境に置かれている。
故にコロナの影響で日本に帰りにくい現在において、仕事の変更は慎重さが必要であるのだが、コロナ禍での産業構造転換の波もありなかなか先の見通せない状況を常にある。
そういった個人のリスク対策の中でビザについても頭の中に入れておかなければならない現状なのである。
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有効な工作許可証と居留許可を持ってから出勤することは、工作許可証の発行を開始してからの規定です。自国の労働者を保護するための規定と思います。日本もそうじゃないですか。
また、最近の政策では、工作許可証の取消は現場に資料を提出する必要がなくなり、取消や会社変更の審査時間も短縮されました。現在はトータル約1.3ヶ月かかると思います。
宋さま
コメントありがとうございます。
参考にさせていただきます。
上海ワルツ