12月と1月はプロ野球の世界では、選手たちの入れ替わりの時期で、ドラフトで指名された新人の入団会見が行われる一方で、ほぼ同数の選手がプロ野球の世界から去る。
プロ野球生活を栄光の連続で過ごした選手もいるが、大半は鳴かず飛ばずで不本意な終了を迎えてしまった選手だろう。
私が応援する北海道日本ハムファイターズも、今年は斎藤佑樹選手の引退が話題になった。
ところでこの「鳴かず飛ばず」という言葉、世間では「さっぱり駄目だった」という意味でとらえられているようで、私もそう思っていたがどうやら本当の意味は違うようである。
そもそもこの「鳴かず飛ばず」という言葉は中国春秋時代の故事に基づく言葉であるとのこと。
当時の君主「壮王」が夜遊びに興じていた際に、家臣が「丘の上で3年間飛ぶこともない鳥はどんな鳥だと思うか?」という質問を投げかけたところ、「3年も飛ばない鳥はひとたび飛んだら天を突くほど高く飛び、人を驚かす勢いで鳴くだろう」と答えたところから、「鳴かず飛ばず」という言葉が生まれたようだ。
つまり「鳴かず飛ばず」とは、「将来に活躍機会に備え行動を控えて、活躍の機会を伺う」という意味が本来の意味のようである。
言うなれば忠臣蔵でいうところの討ち入り前の大石内蔵助のような行動を指す言葉という言葉になろうか。
まあ「鳴かず飛ばず」が「将来に備えて行動を控える」と言われてしまうと、半分は負け惜しみの発言のように聞こえなくもないが、これが本来の意味で今は行動を控えているという意味で使うべきのようである。
私もずっと鳴かず飛ばすである。