先日、某地下鉄駅のトイレを利用した際にとても違和感のある掲示物を発見した。
それが下記の写真なのであるが、これは化粧室内のベビーチェア利用者向けのいわゆる多言語表記の説明書き掲示である。
日本語のほかに英語、ハングル、中国語で説明書きが書かれている。
まあ日本国内から私のブログを読んでくださっている方々にとっては、この表記のどこに違和感があるのだとおっしゃられる方もおられるかもしれない。
近年の訪日観光客の増加で、日本の公共施設にはこういった多言語表記の掲示が増えているからである。
しかし、この表示をもう一度よく見て欲しい。
中国・上海の駅のトイレの掲示であるはずなのに、何故か日本語が最初に書かれているのである。
そして次に英語、3番目にやっと中国語が書かれ、最後にハングルとなっている。
もしこの駅が特に外国人利用客の多い駅だったとしても、常識的に考えて中国国内の公共施設で日本語を筆頭表記することは考えられない。
つまりこの掲示物は、明らかに日本国内などで使用されることを目的として製作されたものに違いないとの推測が成り立つ。
そして、その日本向けの掲示であったものが何故か上海でも利用されているのである。
どうして、この「日本向け製品」が上海のトイレに貼られることになったのかという経緯は分からないが、日系の便器メーカーからの提供か、多言語掲示の準備に迫られた担当者がネットか何かで見つけて日本から買い付けたのかのような理由であろう。
いずれにしても中国国内では既製品を見つけられず、やむを得ず日本向け製品の導入になったにちがいない。
しかし、これは考えようによっては便利な使い方である。
言語の順番にさえこだわらなければ、この多言語併記の掲示物は日中韓の3か国や英語圏の国々でも使いまわしが出来るからである。
まあ欧米ではアジア言語より他の欧米系言語の併記の方が便利かもしれないが、アジア圏ではかなり使えそうである。
思わぬところで発見した「日本からの輸入品」ではあるが、これもひとつのビジネスヒントになりうる商品だという気がする。