最近気が付いたが、虹橋空港と虹橋駅は同居しているメリットが少ない気がする。
虹橋駅と空港は同じ場所にあり建物が繋がっている割には内部構造的にはその移動導線があんまり便利とは言えないのである。
まあ一緒の場所にあるだけで便利と言えなくもないが、悪く言えば一緒にあるメリットは近いということだけになっている。
例えば、航空機→鉄道の場合、国内線なら1階の到着ロビーから地下鉄1駅分の距離を移動してエスカレーターで3階レベルに上がる必要がある。
歩いていけなくもない距離だが、荷物を抱えた旅行客を想定すると徒歩を強制するには微妙な距離で、わざわざ地下鉄に乗るならば建物が繋がっているメリットは消え失せてしまう。
さらにもっと需要の主力がありそうな国際線から高速鉄道への乗継ぎに至っては、徒歩移動は絶対無理で、無料シャトルバス&徒歩移動か地下鉄での移動が必須となり、空港と鉄道駅が同居しているメリットは完全になくなっている。
逆もまた然りで、鉄道から航空機への乗継ぎもまた地下鉄1区間分の水平移動を経て、エスカレーター利用で地下1階から2階或いは3階の出発ロビーへの垂直移動があり、乗継専用ルートなどは特に見当たらない。
結局市内から地下鉄などで来た人と同じルートを使わされるので、空港と鉄道駅の建物が同居しているメリットはここにもない。
その市内との各交通機関への接続もまた微妙で、空港から地下鉄の乗り場への移動もやや微妙な距離があり、完全な垂直移動でもない。
バス乗り場も到着ロビー前などの一番便利な場所は確保させてもらえず、水平垂直の両方の移動があり、それほど便利とは言い難い面がある。
唯一便利になっているのは、マイカーやタクシーで乗り付ける場合のみで、空港も鉄道も出発ロビーにすぐ入れる場所に車止めがあり、到着ロビー前には唯一タクシー乗り場のみが最短距離で存在する。
結局は公共交通機関との接続に関しては優先度が低いのがこの空港と駅ということになっている。
虹橋ターミナルは、航空、鉄道、地下鉄、バスを集めた一大ターミナルということになってはいるが、結局は一番裕福そうなマイカー族やタクシー利用者を優先しているこの導線は、格差的なこの国の社会事情・交通事情を表しているとも言えそうである。