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外国人になってわかる、五輪放送の地元偏重

ある程度予想はしていたことではあるが、中国に来てこれほど見たい試合が見られない状態になるとは思わなかった。
 中国の放送なのだから、地元中国人の出る試合の放送がほとんどとなることは予想していたが、開催国なのだから、もう少しいろんな競技が見られると思っていた。
 しかし実際、この地中国では日本人の出る試合を含めて、中国人の参加しない競技はほとんど見られない。唯一サッカーの人気国の試合が見られる程度のような気がする。
 昨日の柔道も、実際はCCTV2辺りでやってたらしいいが、結局その情報にたどり着けず、CCTVのインターネット放送で見ていたが、準決勝までは全然放送されず、唯一3位決定戦と決勝戦だけが放送された。
 それすらもネット能力の問題で途切れ途切れになって、結局肝心の内柴選手の金メダルの瞬間にフリーズを起こし、優勝の瞬間を見逃してしまった。
 これだけでもかなり悔しかったが、気を取り直して表彰式だけでも見ようと待ち構えていたら、中国選手が優勝した女子の表彰式は華々しく放送したがその直後に放送終了。
 あれれ男子の表彰式は??どうやら中国人の出ない表彰式は放送しないらしい。

「全く中国は・・・」と腹を立てそうになったが、結局これ、日本でも同じことをやっているんだろうなと思った。
 日本では恐らく日本の選手の活躍するシーンしか放送していないであろうし、ネットでも同様のことをやっているのだろうと思う。
 「これからはグローバリズムだ」などと放送やインタネットの世界で叫んでいる割には、ことオリンピックの放送に関しては完全なナショナリズム的放送に変わってしまうのである。
 日本国内にも中国人やアメリカ人を含め、それなりの人数の外国人がいるにも関わらず、それらの外国人に対する配慮は一切無いといってもよいと思う。恐らく今の私のようにかなり肩身の狭い思いをしているに違いない。
 また外国人に対する配慮以外にも、テレビ的に人気が出にくいマイナーな競技に関しても放送はごくわずかである。
 視聴率の問題はあるかも知れないが同じオリンピック競技、どんな競技にも見たい人はそれなりにいるはずだし、もう少し全競技全種目を平等に扱っても良いはずである。しかし現実には視聴率優先主義がはびこって放送されている。

 やはりオリンピック放送は住んでいる場所や国籍に関係なく世界の人にそれぞれ平等に伝えるべきで、競技に参加している選手の姿は平等に映像にして、少なくともアクセスされるチャンスが平等にあるべきである。
 例えば視聴率を取れそうに無い外国人向けの放送や、マイナー競技の放送は、ネット上のみの放送として、映像と現場の音声だけで実況などの一切の装飾を排して、競技の様子を延々と流すだけといった放送があっても良いように思う。

 テレビにはチャンネル数に限りがあるかも知れないが、ネットならチャンネル数をたくさん持つこと自体何の問題も無い。
 放映権の問題もあり、放映権料はオリンピックの貴重な収入源であるので恐らく一筋縄では解決できないのかもしれないが、例えば20016年の東京でオリンピックが開催することになった場合は、そのあたりのことを真剣に検討すべきだと思う。
 違法なBSアンテナなんぞ設置しなくても、見たい競技が見られるように改善を願いたい。

上海ワルツ:
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