日本の大手三社のコンビニが進出している上海のコンビニ市場だが、日本のコンビニが持っている機能のうち、まだ上海では取り入れられていないものが一つある。
それは、上海のコンビニにはコピー機が設置されていないということである。
日本だと、セブンイレブン、ローソン、ファミリマートなどの大手コンビニをはじめ、中小グループを含めてほとんどの店舗に大型カラーコピー機が設置してあり、利用客が誰でもセルフサービスでコピーやプリントアウトできるような仕様になっている。
ところが、上海では(上海以外もきっと同様)、コンビニにコピー機が設置されておらず、気軽にコピーをするようなことが出来ない環境になっている。
まあ近年パソコン社会になってからは大抵の会社や家庭には複合印刷機などが設置されており、白黒の1~2枚のプリントアウト程度ならば全く問題なく、わざわざ印刷にでかけることはなくなってきているが、10枚単位の印刷やカラーコピーになると、やはり途端に不便になるわけで、家庭用コピー機では何十枚も印刷するのは結構時間がかかってしまうし、トナー代も割高になってしまう。
こんな時はやはり大型コピー機に頼りたくなるのだが、残念ながら上海のコンビニにはコピー機の設置がないのである。
ならば、上海の人たちはどうするのか?
実は上海市内には、印刷を専門にした業者がたくさん存在し、街のあちこちに店舗が存在する。
シール印刷や名刺印刷、大型広告やノベルティ系まで幅広く取り扱っており、その中のひとつとして単純な資料コピーも請け負っている。
費用で言えば白黒A4が1枚5角(0.5元)程度が相場で、円換算すると大体日本と同じ金額となる。
こういった上海の町の環境故に、コンビニにわざわざコピー機を設置しなくても社会のコピー需要は賄えるのである。
またコンビニ側にしても、日本では集客目的のためにコピー機を設置しており、採算的にはプラスになっていないと聞くから、印刷業者のたくさんある上海ではコピー機を置くことが集客に繋がらないと判断して、設置していないのだろう
ただ、このように印刷業者がコピー需要を担っている上海の町だが、一つだけ不便なのは印刷業者は24時間営業ではなく、せいぜい8時-20時の12時間営業程度なので深夜や早朝に必要になった時は対応できないということである。
まあ、そういった需要は滅多に発生しないと言えばその通りなのだが、やはり24時間営業のコンビニにコピー機があってくれたほうがいいなぁと思う、この上海のコンビニ事情である。