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ドル安進めど人民元安は進まず

 最近、外国為替市場において急激に円高が進んで米ドルが安くなっているようなニュースが伝わっている。
 昨年10月末時点では1米ドルが150円台まで達していたが、そこから反転し現時点までに20円以上安くなっている。

2023/1/15現在の米ドル相場

 変動率にすると10%以上変動しているのである。
 150円になった頃、私はちょうど日本に一時帰国していて、人民元口座から日本円を引き引き出して使っていた時期だったので、ドル円相場で円が安くなったことを喜んでいた。
 物価高で苦しんでいる方々には申し訳ないが、人民元が割高で活用できるので良かったと勝手に思っていたのである。

 そして逆に中国へ戻って来ると今度はドル安円高へレートが動いたので、それも含めてラッキーな時期に帰国したもんだなと喜んでいた。

 ところがである。

 円高に動いたはずの日本円と人民元の為替レートをチェックしてみると、どうやらドル円相場ほどには動いていないということに気が付いた。
1米ドル150円だった時は確か1元が20円を少し超えていたと思うが、現時点で1米ドルが130円を切り120円台後半になった現在でも、1人民元はまだ19円台のままなのである。
 変動率にするとせいぜい5%程度動いたかどうかというところであろうか。

2023/1/15現在の人民元相場(引用元

 以前は人民元が米ドルにかなりフィックスされ、ドル円相場が動くとそれに比例して人民元と日本円の相場も動いていたという印象だったが、今はどうやらそうではないようだ。

 この人民元と日本円の関係あるいは人民元と米ドルの関係はどういったパワーバランスで変動し決まっていくのか私はよく分かっていないが、少なくともここ最近はドル円相場が動いた状況に合わせて人民元と米ドルの相場も動いているような印象で、その一方で日本円と人民元の関係というのは あまり大きな変動幅とはなっていないのである。

 結果これだけドル安円高にレートが動いても人民元と日本円のレートはあまり変わっていないというのが実態のようである。
 現状、私自身は貿易商などをやっているわけではないので、それほどレートに振り回される立場ではないのだが 今回のように一時帰国するとやはり人民元と日本円の相場というのは気になる。

 今後ドル円レートがどのように推移していくか分からないが やはり人民元と日本円のレートはあまり動かないのかもしれない。
 この状況は日中のビジネス関係者にとっても安泰材料といったところなのかもしれないが、やはり対米ドルが動くとこちらも気になるこの人民元相場の推移である。

上海ワルツ:
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