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完全食は本当に完全なのか

先日完全食だけを食べて生活している人がいるという方がニュースになっていた。

厚労省が推奨する栄養素をすべて満たした完全食を摂取しているから生きるために必要な栄養素は足りているのだという。
まあ厚労省の示す指標であるから、その数値自体に間違いがあるとは思わないが、そもそも人はそこに表示される栄誉素だけを満たしていれば生命を維持できるのかという根本的な疑問がある。

例えば人の体は細菌によって守られている側面もあり、皮膚上の常在菌や腸内細菌が人間の生命活動の営みを支える機能を持っていて、栄養素指標の上では測られないが、乳酸菌や納豆菌の摂取は重要であると考える。

この点、いわゆる完全食商品の含有細菌を詳しくチェックしたわけではないが、乳酸菌はともかく納豆菌をカバーした完全食を見たことが無く、その他の有用菌とて完全食を摂取しただけではカバーされない印象だ。
従って完全食的な食品を摂って、必要とされる栄養素を満たしてもそれだけで人間の健康が維持されていけるのかは大きな疑問が残る。

また完全食を語る製品の広告表示についてさらに細かく見ると、キャッチフレーズ的には1日に必要な栄養素の全てが摂れるように受け取れるが、よく読むと摂れるのは1日に必要な量の1/3となっている。
つまり朝昼晩の3食分全部を置き換えると確かに必要量は満たすが、1日3食のうち1食だけだと他の2食の食事バランスによっては必要な栄養素を満たせない可能性があることになる。

さらにある同様の商品では、完全食を謡いながらもダイエットを意識してか脂質や炭水化物をカットしているような表示になっており、ダイエットには有効かもしれないが必要な栄養素を全て満たしているというのは誤ったミスリード表記ということになる。
個人的には必要な栄養素はやはりすべて満たした方が良いのではないかという気がしている。

つまり完全食を謳う食品は気を付けないと本当の意味で完全食にならない可能性があるのである。

また上述の細菌の面からも栄養素だけを計算した工場生産の既成食品だけを摂って生活することはやはり健康上のリスクがあるような気がしている。

以前も母親の細菌が決める子供の健康とスポック博士の育児書」で書いたが、人間の身体は両親、特に母親から受け渡された細菌が身体の健康を守っているとされる。
 出産時の産道での体への菌の受け渡しや、食事を調理した際に調理する手を通じて子供に受け渡される細菌が子供の健康維持に役立っているとされるのである。

 このことを考えると、やはり工場生産の完全食の摂取で栄養素だけを満たすだけでは、人間の健康維持には不完全で有ろうに思われる面がある。

完全食に限らずとも、特定の栄養素だけを意識した既成食品は世の中に少なくないが、特に子供の食事に対しては栄養素を満たしているからと言って、既製の完全食のみを与えるだけで足りると考えるのは非常に危うい印象である。

先日もプロテイン(たんぱく質)をウリにしたある食品の開発の話を耳にしたが、製品を通してプロテインは摂取出来るのかもしれないが、日常生活にいおいて人の手による調理を経て豆腐や卵など複数の食品を摂る方がそちらかと言えば健康的であるような印象である。

まあ人間の食生活を全て管理するような壮大な検証が出来ないので完全食がどこまで完全なのかはなかなか検証は出来ないが、私は広告に踊らされず、日常の食生活を楽しみながらバランスを取りたいのが希望である。

上海ワルツ:
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