新型コロナウィルスの影響で、2月15日と16日のボストン交響楽団の上海公演が中止になったと、チケットの販売元から連絡があった。
今回ネルソンスさんの指揮ということで、とても楽しみにしていたのだが、とても残念である。
この騒ぎが始まって以来、中止になる可能性はあるなと危惧していたのではあるが、まあ、オーケストラの公演どころか、アメリカでは中国への渡航禁止勧告が出ている状況であり致し方ない判断ではある。
それにしても、このボストン交響楽団とは縁がない。
私のオーケストラの鑑賞歴は30年ほどになるが、中国に来て暫く趣味を中断していたという状況はあるものの。アメリカの5大オーケストラとされている楽団のうち、ボストン以外のオーケストラは一通り聴いている。
すなわち、シカゴ、N.Y、フィラデルフィア、クリーヴランドは過去に聴いてきた。
それ以外も、L.A、S.F、ワシントン、ミネソタ、メトロポリタンなど、アメリカの有名どころは聴いてきたのだが、何故かボストンだけ縁がなかったのである。
そもそも小沢征爾さんが音楽監督だった時代からチケット代が高かったオーケストラなので、残席が残っているのは分かってても手が出なかったこともあったのだが、なかなか聴きに行くチャンスに恵まれなかったオーケストラである。
そして、昨年末にこの2月に上海公演があるのを知り、しかも現在の私の一押しの現音楽監督アンドリス・ネルソンスさんとのコンビであるとのことを知って心躍った。
まあ私自身が上海にいつまで残れるか分からない状況で心揺れるなかではあったが、もし日本に帰ることになってもこの公演だけは最後に聴いてから帰りたいと思ったのである。
しかもチケット代は日本公演に比べ比較的安価なようで、手の届く範囲だった。
よしと思い、チケットを手に入れ日本に帰ろうと帰るまいとこのコンサートだけは聴こうと心に決めたのだった。
しかしながら、今回このように中止となり、非常にがっくりしている。
ただ、単なる一回のコンサートのことなので、常に懐を温めておけば次にチャンスが来た時に飛びつけるだろうし、どうしてもということであれば、私がボストンに行くことだって可能だなと思い直し、気を取り直した。
また、よく考えてみるとボストン交響楽団とは縁がないが、その分身であるボストンポップスオーケストラについては、当時の音楽監督であったジョンウィリアムスさんの指揮で来日公演を聴いていたことを思い出した。
ボストン交響楽団とポストポップスオーケストラは、首席奏者が抜けるものの、メンバー的にはほぼ同じオケであり、スターウォーズなどポピュラー曲を演奏するための編成というだけであり、それらには過去に触れていたのである。
ただやはり、本来の姿のボストン交響楽団として聴きたい気持ちにも変わりはなく、今回は残念であったが、次こそ縁があることをぜひ祈りたい。