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上海からの卒業を考える

 上海に来て13年目だが、今年は年明けから仕事の状況が思わしくない。
 周囲の日本人に聞いてみても、業界関係なく今年になってから数字がさっぱり上がらないという声は多い。

 恐らくトランプさんが仕掛けた貿易戦争の影響がじわじわと効いているのだと思われ、まあ私の仕事は直接の貿易関係ではないので、目に見える直接の影響があるわけじゃないが、間接的に影響は感じており、かなり先行きが不透明である。

 故に行き詰りつつあるので、そろそろ変化を考えなければならない時期に来ている、

 端的に言ってしまえば上海からの卒業の検討である。

 とはいえ、仕事ありきの生活ことであるからそう簡単な話でもなく、そのことでここのところ日々煩悶している。
 まず転職するにしろ一番のネックとなるのは年齢である。

 間もなく50代の足音が聞こえてくる自分にとって、例えば日本に戻って職を探すにしたとしても、飛び込める職種は限られる。
 それに相手方の条件枠を抜きにしても私自身の性格的な面から言えば、新しい仕事をぱっぱと覚えるのは得意ではなく、時間がかかるので、戦力として認めてもらえるためのハードルは高い。

 そして仮にもしうまく就職できたとしても、日本社会にうまく復帰できるかどうかという問題もある。
 中国への渡航前の人脈はケアしていないので、今ではかなり縁遠くなってしまっているため、戻ったからと言ってすぐに回復できるものでもない。

故に、仕事以外の生活周りの人間関係の交流回復というのはなかなか容易ではなく、やはり馴染むまで時間がかかるだろうに思う。
 それでも勤務が順調に進めばまだ良いのだが、やはり躓くことが無いとも言えない。

 そうすると、最近の日本で発生している事件の要因のひとつとも言われている中高年のひきこもり問題が頭をよぎる。
 さすがに社会に復讐などという発想には至らないと思うが、心折れて行動気力を落とし引きこもりがちになるようなことはあり得ないことではなく、日本の報道を見てとても他人事ではないと身をつまされる

 そこまで行かなくて環境を替えた直後のストレスは小さくないので、自ら気持ちを保つための工夫は必要になるだろう。
 とは言え、いよいよ追い込まれいざとなったら四の五の言えないのではあり、命と体力の続く限りどんどんトライしていくほかない。

 ただまあ幸いというか、現在上海に恋人や家族を抱えているわけではないので、自分一人ならなんともなるかなという面もあり、地域的拘束もないため、自由といえば自由である。

 一応そのパートナー的な意味で言えば、実は台湾に彼女のような存在がいるため、上海を離れる場合は台湾も視野に入っては来るのではあるが、まずは生活の安定ありきであり、それがなければパートナーに迷惑をかけるだけとなるので良い選択ではない。
 それならば日本である程度安定した生活ができるのなら、そこへ呼びせるほうが懸命である。

 故にこの台湾への移住という選択は、結局は生活が成り立つのならばという条件付きとなる。
 もちろん言葉の面で言えば、台湾であれば仕事でバリバリに要求されなければ生活の面では心配ないし、不安を感じていない。
 それに人間関係も下手な日本国内の社会に戻って孤立するよりも、台湾ならアウェイの連帯感もあり馴染みやすい面はあるだろうには思う。

 また正直なところ、日本に対してホームシックになってこの悩みに至っているわけではないので、生活が安定して、音楽がそこそこ聴ける環境があって、帰りたいと思ったときに日本に帰れるような距離であれば、必ず日本である必要もない。

 いずれにしても自分の生活とパートナーとの関係のすり合わせは、ここ10年近く悩み続けたテーマでもあるため、そろそろ何か解決の道筋を見つけねばならない時が近づいている。

上海ワルツ:
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