先日、上海に進出してきている日本の某コンビニ関係の会社の人と話す機会があった。
そこで私が質問したのは、日本のコンビニチェーンが上海に入ってきているのに、何故弁当があまり美味しくならないのかという疑問。
中国のコンビニ弁当は最近でこそ、まあ何とか食べられるレベル状態にはなっているものの、自信を持って「美味しい!」と呼べるものには出あったことが無いのが実情である。
それに比べて日本のコンビニ弁当は非常に美味しく、おにぎり一つとっても普通の家庭でもなかなか追いつけない程度に品質が向上している。
私なんかは一時帰国するたびに、コンビニの食材を食べられることをいつも楽しみにしているくらいである。
もちろん中国には日本の3大コンビニチェーンであるセブンイレブン・ローソン・ファミリーマートが進出してきており、台湾資本を使うなどテクニカルな点はあっても基本は日本品質に近いサービス方式によって運営が行われており、競争状態にもなっている。
それなのにである。
弁当だけはどうも品質が向上していかない気がする。
やはりコストがかけられないから美味しいものが作れないのか?
或いは原料調達の品質に問題があるから美味しくならないのか?
この点を上述の関係者に聞いてみると意外な答えが返ってきた。
中国のコンビニ弁当の味が向上しないのは、実は輸送温度の規制の問題だという。
日本のコンビニの場合は、弁当は18℃前後という常温温度により輸送が行われており、これにより弁当やおにぎりの米が硬くならず、おいしさそのままに店舗に運ばれてお客様に提供されているとのこと。
また常温管理のために腐りにくくするためのPH管理なども行われているという。
それに比べて例えば上海市などでは18℃の常温輸送は認められておらず、6℃という低温管理のもとで輸送をしなければならないということだった。
これにより食品の安全性は保たれるが食材は冷たくなり、ご飯などは固くなってしまうのだと言い、電子レンジで温め直しても美味しさは取り戻せないそうだ。
つまりこの温度規制の影響で中国のコンビニ弁当は美味しくすることが難しいということらしい。
この規制に対して例えばセブンイレブンは対抗策を講じ、中国の快贅という弁当方式を取り入れ、各店舗でご飯を炊くという手段に出たとのこと。
どうやら各店舗ごとに飲食店許可を取得しているらしく、この影響で他の日系コンビニに比べ店舗展開速度がややゆっくりなのだという。
まあこのように日系のコンビニの弁当戦略の足かせとなっている中国の輸送温度規制であるが、これを緩めて他の中国系飲食業界も含めて18℃の常温輸送を始めることを想像すると、今の中国の品質管理の実態では品質に問題のある食品が大量に流通しあちこちで食中毒続出なんて事態が容易に想像できてしまう。
故に安全か味かと言われたらやはり安全を取らざるを得ず、当面は現状のまま我慢するのも致し方ないようだ。
低温輸送でも美味しいままのコンビニ弁当の開発をぜひお願いしたいと祈る毎日である。
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