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鉄道切符、日本は運行日、中国は購入日が基準

 先日の話の続きだが、ようやく26日に件の高速鉄道が正式開通にすることになったと22日の報道で伝えられていた。
 実に4日前の発表である。切符もその日から発売になった。

 それでいて発売初日の発売は思わしくなかったとの翌日のニュースもあった。

 まあ、発売当日の新聞で初めて報道されたのだから、切符を買いに行く計画を立てようはずもなく当然の結果であろうに思うのだが、実に不思議なこれらのニュースである。
 
 ところで日中の文化の違いというべきか、この切符発売に関して表現に不思議な差異があることに気がついた。

 中国の場合、今日から○日以内の切符を販売という表現をしている。日本の場合は例えばJRの指定席券の場合は1ヶ月前の当日という風に運行日を基準に発売日が設定されている。
 期間の長さの問題はとりあえずさておき、この表現方法は実に日中のものの考え方の差異を如実に表しているように思える。

 日本の場合、列車に乗って行動する日という予定がまず決まり、それに従って切符の購入行動するというのが通常の行動パターンになっているが、中国のこのシステムはどうもそうではない。

 購入日を基準として未来何日間の切符が買えるという条件設定は、目的地に行くことは決まっているが、その時点で行動予定日は確定しない。切符を購入する日がまず先に決まり、移動する日は切符の状況しだいということになる。

 つまり鉄道を使って移動するという目的は同じでも、日本人は目的地へ移動する予定日が先に決まり、中国では切符を購入する日が先に決まるということになる。

切符売り場の表示

 まず予定を決めてそれにあわせて行動していく日本人と、今現在を基準に行動してその結果に未来が出来上がる現在の中国人、鉄道の切符だけ見てもその思考パターンは明らかに違う。

 もちろん、この発売期間の長さも日中の考え方の違いを表している。まあたった4日前とか10日前からの発売で済んでしまう(済んでないのかもしれないが)というのは、中国特有の状況であるというか、まだ鉄道を取り巻く状況が完全に発展途上国並であることを表している。
 少なくともヨーロッパの先進国は軒並み1ヶ月以上の期間が設定されている。何度も言うようだが普通の都市生活者にとってはたった4日前とか10日前では行動の予定が立てようがないのである。
 しかもいくら政府発表の辻褄を合わせるためとは言え、事前発表もなく当日の新聞で切符発売を知るといった状況は愚の骨頂である。

 残念ながら今の中国人にとって一ヶ月も一年も先の予定を決められないというのが生活の現状であって、決めていいのがせいぜい1週間か10日であるのが中国の行動習慣であり、その表れが鉄道の切符の発売日であるように思う。

 カレンダーすら翌年の祝日カレンダーが前年の年末にならないと決まらない中国。日本は前々年の年末には決まる。

 利用客や相手のことを考えもせず朝令暮改で済ませ、ルールがルールとして機能していない中国の状況がこんなところにも現れている。

上海ワルツ:
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