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開幕時に全部は間に合わないらしい

 会社の社員たちがお昼に噂していたのだが、どうやら万博は準備が間に合わず、5月1日の開幕時には全ての施設が揃ってオープンすることはできないらしい。
 数ヶ月前にバスの中から見た感じでは、テーマ館以外はほとんど何も出来上がっていない状態であったから、恐らく間に合わないだろうなぁと思っていたら、案の定間に合わない見込みのようだ。

 いかにも中国らしい話といえばそれまでだが、 もともと集団での連携プレーが苦手な中国人が、これだけ大きなイベントを行うにはまだ経験が浅すぎるように思う。
 マンションやホテルの開業ひとつ取っても満足に納期どおり成功させることができない人々が、これだけ大きなイベントを完璧に成功させられるわけがないのである。
ましてやこれだけ大きなプロジェクトになると納入される機械の部品のひとつひとつまで納期厳守を要求されるのだが、幾ら上で引き締めても元々の計画がタイト過ぎるのでほんのちょっとの狂いが全体に大きな影響を及ぼしてしまう。
 計画の根幹の部分はきちんと作っても、ノウハウがなければ枝葉の部分まで目が行き届かないので、結局思いもよらないところで足を引っ張られる結果になる。

 本来は、そういった不測の事態を見込んで計画を立て、クリティカルパスに影響が出ないように全体の計画に予備の調整日程を含ませるのが普通だ。
 しかし総じて甘い見込みを立てる中国人の気質では、そういった不測の事態を予想して調整日を含んだ計画を立てるという発想が生まれないらしい。
こういったことは実は経験によって学んでいくのだが、中国にはまだそういった経験が足りなすぎるように思う。
個人的にはこの万博開幕は5年くらい早かったのかもしれないと思う。
 まあ今回開幕に間に合わないのは仕方ないにしろ、とりあえず焦って事故など起こさないように安全面に注意を払っていただければそれで御の字である。

 こうやって考えると、開幕数ヶ月前に建物を完成させてしまった日本館はさすが優秀だなぁと思う。もちろんこれから内部のテストが始まるに違いなく、これとて全体計画からすればギリギリなのかもしれない。
 これを思うと開幕に間に合わない建物は、中身の調整まで行き届くわけがないので、オープンしたとしてもやはりトラブル続きになるだろうなというのが今の予想である。

上海ワルツ:
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