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中華系に狙われた富士山静岡空港

 昨日、関西空港と成田空港へ上海からの乗り入れが多いというブログを書いたが、今日の中国の環球網のニュースでもやはり関空での外国人利用客が増えていることが報道されており、2014年は初めて外国人利用客が日本人利用客を上まわったと伝えられている。

 その傾向は今年になってさらに強まり、春節や花見のシーズンに大量の中国人観光客が日本に押し寄せたのは周知の通りで、関空では今後の夏の学生の旅行シーズンに向けて24時間バスの運行を計画するなど、対策を準備しているという。

 ところで、こういった中国からの訪日観光客が増える中で、特異なほど中国からの航空機乗り入れが増えている空港がある。

 それは静岡県の富士山静岡空港である。

 この富士山静岡空港は、調べたところ国内線に関しては週42便、つまり1日当たり6便の運行しかないが、国際線は台北に週4便、ソウルに週3便のほか、中国大陸からは上海や天津など週21便(うち2便は定期チャーター便)もの運航があり1日あたり平均4便もの国際線が発着する空港となっている。

 もちろん成田や関空などの大空港に比べれば週28便という国際線の乗入れ数は多いとは言えないが、全体に占める中国系航空会社の比率は実に30%であり、乗入れ便数は那覇の週20便を上回る事態となっている。

 特に最近寧波(浙江省)、南寧(広西チワン族自治区)、塩城(江蘇省)など、地方の都市からの乗り入れが増えており、明らかにビジネス客というより中国からの団体旅行客向けの運航であり、富士山の風景や静岡の味覚、さらには関東への新幹線移動を含んだ観光をターゲットとした路線である。
 (新幹線乗車も中国人の観光の楽しみの一つとなっているらしい)

 こういった中国からの乗り入れが増える背景には恐らく、空港名につけられた「富士山」という象徴的な観光ポイントの魅力が吸引力を発揮しているともに、国内線の便数が少ないために発着枠に余裕があり、乗入れが容易だという理由があるものと思われる。

 この点に関して首都圏に位置する茨城空港も同様の立地条件はあるのだと考えられるが、残念ながら茨城空港は自衛隊百里基地との共用空港であり、防衛上の観点から共産圏からの航空機乗入れには制限があって、台湾や東南アジアはともかく中国の航空会社は容易には増やせない状況となっている。
 春秋航空がデイリーにならず水曜日の運航がないのもこの基地の存在が理由であり、ここが単独空港である富士山静岡空港との大きな差となっている。

 それゆえに富士山静岡空港は中国人の訪日観光客のターゲットとして今後もますます中国系航空会社から狙われる可能性が高く、便数が増加して中国人でごった返す空港となることが予想されるのである。

 開港当時の富士山静岡空港は富士山の見えない空港と揶揄されたが、どうやらここにきてそのネーミングが功を奏してきたのかも知れず、今になって思えば先見の明があったと言えるのかもしれない状況となっている。

中国東方航空の機体

上海ワルツ:

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