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春秋航空より安く日本に一時帰国した方法

最近、中国人の日本旅行ブームのおかげで中国から日本への航空便が増えていることは少し書いたが、その影響で航空運賃も高い水準で高止まりしてしまい、なかなか安いチケットが出にくくなった。

そうなると、いつも安いチケットの時期を狙って一時帰国していた私にとっては、なかなか帰るタイミングが見つけにくい状況になっていた。

そこでこの3月に何とか安い方法はないものかと探ってみたところ思いのほか安く帰れる方法があることを発見した。

上海と東京を結ぶ安いルートといえば、LCCの春秋航空が有名で茨城空港から東京駅まで500円のバスを利用すれば、成田や羽田経由よりは東京まで往復できるため、実際私の周りでも春秋航空で年中往来している人は多い。

春秋航空A320

 ただ、最近では人気が高いためか300元台などといった格安のチケットはほとんど手に入らない状態が続いていて、片道1380元などといった1000元を超えるような状態が常となっていた。

 春秋航空側では増便をしたいという意思もあるようだが、「中華系に狙われた富士山静岡空港」でも書いたように茨城空港側が自衛隊との共有空港であるがために、共産圏の航空会社の乗入れは制限があって、なかなか増便が叶わないでおり、安いチケットが出にくくなっているのである。

 で、そんな状況の中で私は3月の一時帰国の際に春秋航空より安く帰れる方法を見つけたのである。

 その方法とは経由便の利用である。

例えばCTRIPなどの旅行サイトで検索すると、右側に直行便のほかに経由便という表示が出てきて、直行便より安い値段が表示されている。
この経由便、上海―東京間だと、香港やソウル、ハノイ(ベトナム)経由などが主に利用できる。

このうち私が注目したのはキャセイパシフィック航空利用の香港経由ルートで、当時実に2000元(税込み)ほどの価格が表示されており、これはと思い航空会社の直販サイトを覗くとさらに安い1952元という非常にリーズナブルなチケットがあったのである。

キャセイパシフィック航空機

 まあ残念ながら全ての日にこの価格のチケットが有ったわけではないが、決してオンリーワンではなく、幾つかの日で1952元のチケットは選択が可能だった。
 これに対してこのタイミングで買えた春秋航空利用の場合の運賃は確か往復で税込み2700元ほどで、つまりLCCの直行便より香港経由の方が遥かに安かったのである。

 しかも経由便利用であるからには、当然の事ながら直行便より時間がかかるのだが、実はその時間がかかることを逆手にとった利用法が香港経由便にはあったのである。

 というのはこのルートの場合は香港―成田間の利用に際して、香港を深夜に出発して成田に早朝に到着するCX524便という便が選択できた。
 この移動方法だと、上海を夕方に出て香港に夜に到着し、香港で数時間の乗り継ぎ待ち時間を食事やWIFI接続などで過ごし、未明に香港を出発して機内で仮眠をとって早朝に成田に着くことができる。
 つまり、夜間のうちに移動できてしまうので、ビジネスアワーがほとんど潰されることなく、移動前後の両日がほぼフルに使えたのである。

香港国際空港の成田行きの搭乗口

今回上海―香港間の移動に関して私は比較的余裕をもった便を選択したが、場合によっては上海浦東発が19時以降の便も利用できるので、ギリギリまで上海で時間を使え、次の日は朝から東京で時間が使えたのである。

これに対して春秋航空利用の場合は、上海発早朝でお昼に茨城空港に着くが、そこからバス移動すると東京駅に着くのは16時過ぎで、トータル時間こそ香港経由(最短約11時間)より短いが、ビジネスアワーはほとんど移動に消費されることになり、東京着の初日はほとんど何もできないものだった。

まあ深夜の航空機移動は確かに体には負担となるが、キャセイパシフィック航空の機内サービスは充実していて、機内食や飲み物は無料のフルサービスであり、最新の映画なども鑑賞可能(しかも日本語付画面)、USB給電器などもあっていたれりつくせりなのである。
(安いチケットでもエコノミーとしてはサービスレベルは同じ)

しかも委託荷物はエコノミーでも20キロまで可能で、やはり一般的な容量が委託できる。

これに対して、春秋航空は機内サービスが全て有料であり、手荷物と委託荷物合わせて15キロという重量制限もあってあまり多くのお土産は持ち込めない。

決して春秋航空のネガティブキャンペーンをしようということではないが、フルサービスキャリアの経由便は乗り継ぎの煩わしさ以上にLCCにはないメリットが有るということなのである。

 ただまあ、この香港ルートについても全くデメリットがないわけではなく、帰りもやはり香港経由での上海戻りが必要となり、しかも東京→香港には深夜便というものがないため、ほぼ丸1日を潰して午前東京発夕方香港着と夜香港発―深夜上海着という便を乗り継いで移動をするか、夜に香港に到着する便を選び香港で1泊して次の日の朝便で上海に移動することになる。

香港国際空港ターミナル内

 もし香港で一泊する場合は空港内泊かホテルでの宿泊を選択することになるのだが、幸いなことに香港国際空港では委託荷物を預けっぱなしでトランジット時間を利用して香港域内に入境することが可能で、香港市内のホテルに宿泊することも出来る。

 しかし香港のホテルは非常に高いというのは有名な話であり、迂闊にホテルの宿泊料を払ったのでは格安チケットを利用したメリットが失われてしまうので、今回あくまでもコストパフォーマンス重視だったので空港内のベンチで朝まで寝ることになった。

 まあ多少の安全上の問題はあったが、警備員の目につきやすいところで寝るという方法を取って盗難を防ぐことができた。

 結局こういった学生の如き行動とはなったが、それを厭わなければ、トータル1952元という安さで春秋航空より安く上海から東京への一時帰国が可能となったのである。

 で、この搭乗体験から現在数ヶ月が過ぎているので最近の運賃動向について調べたところ、経由便はやはり概ね直行便より安く移動できるものとなっていたが、上記の深夜便CX524便は人気のようで最安値の価格では取れず、最安値はもっぱら朝上海発夕方東京着の便のみであった。

 つまり時間の面では春秋航空利用とどっこいとなってしまうか不利なのだが、運賃の面ではやはり安くサービス内容を合わせて考えれば総合的なメリットはあるようである。
 後は乗り継ぎを面倒くさいと感じるかどうかだが、そこさえ気にしなければ経由便利用でLCCの春秋航空より安く快適に一時帰国できる可能性があるのである。

上海ワルツ:
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