上海で毎週のようにコンサート情報を探っている私の生活だが、時々外国人が購入できないコンサートに出くわす。
決して「購入は中国人に限る」と書かれているわけではないのだが、外国人には買えない状況になっている。
何故外国人が買えないのかと言えば、実名制購入によりチケット購入時の中国の身分証明書の登録が必須になるからである。
実名制の目的としてダフ屋の介入を防ぐ意図と安全上の管理として聴衆を把握する目的があるのかなと推測する。
まあ実名制の目的は分からないではないが、これにより外国人としてはパスポート情報を入力しても受け付けてもらえず、購入に進むことが出来ない。
台湾や香港マカオ籍の証明書は受け付けてもらえるようだが外国人のパスポートは対応が無いのである。
よって外国人としては聴衆としてチケットを手に入れることが出来ない。
ひょっとすると会場の窓口に直接赴いてパスポートを提示すれば買える可能性はあるが、少なくともオンライン購入は出来るようなシステムにはなっておらず、窓口購入だと労力が桁違いにかかってしまうので余程でなければ問い合わせをすることも無く諦めることになる。
先方としては外国人を排除する意図はなく、恐らくパスポート対応のシステムにする必要性を感じず単にコストをかけなかっただけなのであろうが、公共性の高いコンサートチケット購入で外国人だから弾かれてしまったのはちょっと寂しい。
このチケット購入に限らず、身分証明書による認証プロセスにより外国人が弾かれてしまうことは時々あり、システム化追求によるトレードオフとも言えなくない。
ただこれは中国に限った話でもなく、日本においてもキャッシュレス化やマイナンバーカード認証の浸透により、そこへ乗り切れない外国人などを生んでしまう可能性があり、留意しなければならない点であろう。
例えば今回のようなチケット購入問題も、以前このブログに書いた「外国人にも中国の身分証があればいいのにと思う。」のように中国人の身分証明書の規格に合せた臨時の外国人身分証明書を発行することにより解決しそうな気がするが、どうであろうか。