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中国で時速600キロのリニアモーターカーの構想

 先日、「上海リニアモーターカーが営業休止となる日も遠くない?」で中国はリニアに興味を失っているのではないかと書いてしまったが、どうやら中国では新たに時速600キロのリニアモータカー構想が持ち上がっているような記事を目にした。

 記事によると山東省の青島市で試験車両が完成し、予定では今年後半にも実験線に投入され軌道上における運行テストが開始されるとのこと。
 さらに来年2020年には時速600キロを目指して高速走行実験が始め、2021年には実用化の目途を立てたいとしている。

 まあ、この記事にどれだけの真実味があるかわからないが、少なくとも600キロ走行を実現させたいという意図があるのは確かのようだ。

 ただ、超電導リニアの記録については、安全性を度外視して事故のリスクを無視して走らせるだけなら、今の日本の技術でも習慣的な速度記録を達成することは可能なのかなと思える。
 実際に日本の実験線では既に607キロが記録されている。
 
 しかし、これは瞬間的な速度トライアルの記録なのであって、継続的に600キロの速度を出し続けて安定的に走行できるのかは別の話となる。

 車両強度や安定走行性、風などの環境対応、騒音対策、さらに軌道側も精度の高い状態を保つための耐久性など安全性を担保するための技術検証の必要がある。
 これらをクリアして初めて営業運行が可能な状態になるのであって、車両をつくったところで一朝一夕に技術が確立されるものではない、

 ただまあ80%の技術でも完成したんだと世に出してしまうのが中国の怖いところでもあり、特に列車技術は人命に関わるので、残り20%の詰めを行わなかったばかりに事故が起きれば、温州での事故の二の舞にならないとも限らない。
 果たして今回の時速600キロ構想が大風呂敷なのか、しっかりと地に足のついた計画なのか、もう少し様子を見ないとわからないのである。

 ちなみに中国初の国産旅客機C919は当初2016年に初就航予定だったが、ようやく2017年に飛行テストを開始した状態で、納入自体は延びに延びて2021年まで延期されている。

 慎重に慎重を重ねるのは良いことではあるが、やはり当初のアドバルーンは見通しが甘いのが中国の計画であり、600キロリニアも予定通りには進まないだろうというのが私の見立ではある。

上海ワルツ:
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