最近少し減ったが、中国では時々携帯電話のショートメールに振り込め詐欺の案内がやってくる。
「私は旅行中で外地にいるので、今回の家賃の振り込みは私の配偶者の口座に振り込んで欲しい、口座は○×銀行xxxx-xxxx,,,」
というのがパターンで、どのメールもほとんど同じである。
この家賃を出汁に使うというのがミソで、どうもこの手のメールを見ると既に慣れたものの見る度にまたドキッとしてしまう。
世の中の一般庶民の生活の中で、恐らく大半の人の一番大きな出費が住居に関する費用なのではないだろうかと思われ、ローンであれ賃貸の家賃であれ、生活家計の中でそのプレッシャーが一番大きい気がしている。
まあ私の場合、今までのところ何とか支払いを遅らさせず済ませてきたが、中国のように3ヶ月に一回の支払いだと一回当たりの金額も大きくなり、やはり生活の中で知らず知らずのうちに支払いに対するプレッシャーがかかる。
そんな常日頃からプレッシャーがある家賃に対する催促メールのような「振り込め詐欺メール」はやはりドキッとするのだ。
特に近年の中国の賃貸契約の場合は大家の顔を見るのは、最初の契約と退出の時だけくらいなもので、家賃の支払いは口座振り込みで済ませてしまう場合も少なくなく、大家の名前も覚えないくらい交流関係がないのが現状である。
日本の江戸時代の長屋の「大家と言えば親も同然、店子と言えば子も同然」という言葉とは全く正反対のドライな関係である。
しかも中国の夫婦別姓制度が余計に詐欺を起しやすい余地を与えていて、家主の名前を辛うじて覚えていてもさすがに旦那や奥さんの名前までは知らない。
だからこそ、このような家賃振り込め詐欺が横行するのだと思えるが、まあどんな手にも迂闊に乗らないように今後も気をつけたいものである。