これは中国進出に限らないことであるが、最終決定者が現場のそばにいない会社はまずうまくいっていない気がする。
中国にいるとよく見かけるのが、現場に中途半端な権限は与えるが、最終的な決定権は日本の本社が持っているような形で進出して来るケース。
現場で先遣隊が一生懸命頑張っていても現場を知らない日本の幹部があれこれ細かく口を出してきて現場が混乱しているケースをよく見かける。
或いは先遣隊の人が日本の本社の顔色ばかり伺って、全く話が前に進まないケース。
或いは完全に現場任せなのはいいが放任過ぎて、発展性が望めない状態になっているケース。
まあいずれのケースも結局現地の状況を知らない人が日本でジャッジをするものだからうまくいくわけもなく、途中で空中分解して撤退するケースが多々あった。
もちろん出資元は日本であるから最終的に日本のジャッジが必要な面があるのは仕方ないが、ならば判断に責任とれる人が直接乗り込んで指揮をすべきだという気がするのである。
どんな仕事でも熱意を持つ人が現場にいないとまずうまく行くはずもなく、その仕事で一番熱意を持つ人イコール「経営者」と考えるならば、難しい判断が連続するはずの中国進出の現場判断は、やはり最終権限者が現場に入るのが成功の道筋と言う気がする。
現場に入らず現状も直接その目で見ない人間には、業務環境の現状が本当の意味で理解できるわけはなく、業務に対して正しい判断が出来るわけがないのである。
ましてやここは異文化の地中国であり、日本の常識では判断できない事柄が沢山ある。
恐る恐るの小手先だけの日本から派遣をしている会社はやはり小手先の業務しかできなく、実際に困難を迎えた時の突破力に影響してしまうのである。
よくプロ野球選手が副業で始めた飲食店がうまくいかないのは、本人が現場にいないから最終的判断が出来ないからだと言われている。
お金に最終権限を持つ人が現場にいないと、どうも個々の場面の判断が妥協的になってしまうらしく結局うまくいかないようだ。
中国で成功するビジネスというのはなかなか一筋縄には見つけられないが、こうしたら失敗するという典型例は数多く見てきており、同じ轍を踏まぬよう気を付けたい。