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手術は手術だった。

ようやく今日退院した。

今回小さな手術ということで、結構甘く見ていた点があったのだが、受けてみると小さくても手術は手術であり、それなり大変な数日間であった。

 手術当日、朝6時に起こされ検温。

そして7時過ぎに、手術関連と思われる注射をお尻に一発。

 詳しくは聞かなかったが恐らく鎮静剤かなにかで、気持ちを落ち着かせるための薬ではないかと察する。

 そして8時過ぎにとうとうお迎えが来る。

 病室の前に、ストレッチャーが到着しそこに横たわるよう指示される。

 指示通りそれに寝ると、そのまま病院の廊下を運ばれ、エレベーターに乗せられる。
 そして手術室前に到着。

 そこでなんと麻酔のサインをしろという。

 サインをしないと手術ができないらしい。

 普通は家族が責任を持つようだが、今回家族の帯同はないので自分でサインをすることになった。

 中国語で説明が書いてあるが、もうこの状況では一言一句を頭の中で確認する余裕はなく、ほとんど盲目的にサインをせざるを得なかった。
 まあ話しかけてくれる麻酔医師や看護婦は日本語が通じるので安心材料ではあったが、結局書類は中国語である。
 ここが外国であり仕方ないことでもあるがちょっともう少し余裕を持って書類を読みたかったというのが本音だ。

 こうなったら何があっても悪い方に転んだら諦めるしかない。

 そして自分の体がそのまま手術室に運び込まれる。

 手術室は恐らくどの大病院の手術室も似たような状況であると思うが、大きな部屋の中央に巨大なライトを備えた手術台があり、部屋の周囲に手術内容に応じたそれぞれの手術器具がワゴンに乗せて留置されている。

 まるでスタジオのように感じる空間状況である。
 
 今回私自身は当初、鼻の中の小さなポリープを取る一つの「医療処置」程度に感じていたが、まさに私が受けようとしていたのは手術であり、小さくても手術は手術だったことにようやくここで気づかされる。

 そして手術の準備が始まり、心拍計などが取り付けらる。

 執刀する担当医はリラックスして座って待つよう周囲から促され、手術台周りを受け持つ医師が着々と準備を進める。

 ただその準備する雰囲気は「手術」という言葉から受ける重みに比べれば随分リラックスした印象であった。
 一部では鼻歌も聞こえる。
 患者をリラックスさせるための演出なのか、本人たちが落ち着くための自己暗示なのか分からないが、重たい緊張感はそこになかった。

 そして「差不多吧(大体OK)!」の声がかかる。ほぼ準備完了のようである。

 そのとき日本語のできる医師から、静脈注射の中に麻酔薬を入れましたからそのうち眠くなりますと説明された。

 そして間もなく私は眠りに落ちたようで、、、、気が付いたときは既に病室であった。

上海ワルツ:
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