最近、周囲からの結婚へのプレッシャーが大きくなった。早く幸せな結婚をしてくれよとよく言われる。春節が明けてからもう5~6人の中国人に言われている。
相手を紹介してあげようとか、よく世話を焼かれる。
こちらだって別に結婚したくないわけじゃない。状況がなかなか整わないのである。
相手が誰かという問題に関しては、引く手あまたとはいかないが、もはや結婚を目的にしてその気になれば見合いでもなんでもすればそんなに時間をかからず探せると思っている。
しかし、相手は見つけられたとしても自分のほうになかなか状況が整わない。
やはり一番の問題は仕事と収入の安定である。今のところ低空飛行ながらも何とか飛び続けてはいるものの、気を許せばいつ墜落するかもわからない。
そんな緊張感の中生活しており、自分ひとりならまだしもとても自信を持って配偶者を安心して養うような状況ではない。
世の中には学生結婚する人たちもいるが、私から言えば働く前から結婚するなんぞ無責任すぎてとてもそんな真似が出来ないと思っている。
特に中国の場合は、マンション有り、車有りの条件が容赦なく突きつけられる。
ただ、これには上海人の男性達も辟易しているようで、現在の上海の不動産バブルの状況の中では普通の働きをしながら家を買うなんてことは夢のまた夢であるにもかかわらず、経済状況の見えない女性に2回目のデートからマンションの話をされてゲンナリしたという話を聴いた。
今の上海人達の資産家と呼ばれる人たちは、事業を手がけてきた事業家はともかく、単に値上がりした場所に住んでいただけの不動産成金が多く、何かに成功したわけではないのに大した苦もなくマンションを手に入れているのが現実だ。
そんな人々の子供が「マンションくらいないとね」等あたかも自分の実力で築きあげたのごとく言われてしまうとやはりゲンナリする。
とどのつまりは結局は上海人達も親がかりでないと結婚できないのである。
ただ中国には相続税がないので親が豊かなら子供がそのまま豊かになり、先富論のような金持ちによりかかったり、たかったりする理屈はあっても生まれながらの平等という考え方がなく、後から生まれた人は生まれた社会状況に左右されてしまうという現実がある。
そんな社会の中に新参者の外国人が入っていって結婚を考えてもなかなかハードルが高い。
まあ収入を上げる一番手っ取り早い方法としては転職などという方法も考えられ、現にここ数年知り合いなどから幾つかオファーを受けたこともあったのだが、年齢を考えると転職はそんな簡単な話ではなく将来性に疑問を感じ断わっており、今の仕事を捨てられるほど良い話はそうはない。
目先の仕事で効果を出すことのほうが余程現実的であるが、それとて歩みが遅く思うに適わず焦り始めてもいる。このままではいつまでも結婚できないなぁと。
と現実を悲観しているだけでは本当にいつまでも結婚できないのであるが、理想と現実の狭間にいるプレッシャーは非常に大きい。