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看板の少ない風景

窓から見る風景に屋上広告は見当たらない。

上海のビルの高層階から窓の外を眺めて気が付くのは、屋外看板が非常に少ないという事である。
日本だと超高層マンションはともかく、一般的な商業ビルの屋上や街路沿いの空き地などには必ず屋外広告の看板が1つや2つ目に入るのが普通だが、上海はこれらが比較的少ないように感じる。
もちろん駅前のビルの正面など限定的な場所では、ビルの壁面に巨大な企業のロゴなどが貼り付けてあったり、派手な看板があったりするのだが、あくまでそういった繁華街限定であり、日本のように無秩序にあちらこちらに看板は見当たらない。

例えば下記は上海駅南広場の写真だが、東京駅の八重洲口の風景と比べると看板の数が圧倒的に違う。

上海駅南口正面も屋外広告は多くない

外灘などでは黄浦江周辺に競うようにネオンの看板が設置されているが、あくまでも観光的要素の一つのように置かれており、その看板の量がどこにでもあるわけではない。

あくまで壁面広告が中心

恐らく景観条例などが厳しく設定され、無秩序な看板の設置が禁じられているのではないかと思われる。
その代り上海では工事現場の壁面などを覆うように、巨大な広告写真が貼られているケースが良くある。

繁華街以外は大きな看板はほとんどない

これは恐らく、工事現場を目隠しする機能として許可されているのではないかと思われ、日本でも同様のケースはあるが、中国のそれはより巨大のような気がする。
また高速道路沿いにも巨大な広告塔が等間隔でずらっと並ぶ光景を目にするが、あくまで官制広告と言うか、道路管理者が商売でやっているようで管理が行き届いており、田んぼの真ん中に看板を設置するような日本的な無秩序な設置はほとんどないような気がする。
景観を規制しながら、広告ソースは行政の胴元が握るという、いかにも中国らしい広告の姿がそこに見える気がする。

上海ワルツ:
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