空前の中国人による日本への旅行ブームが、春節と花見と続いているが、こうなってくると日本に何度も足を運んで遊んでいる中国人も増えてくる。
すると、そういった日本好きの中国人同士の会話はそういった話題が中心になってくるわけで、例えばあそこのお店は美味しかった、あそこの店員は優しい、可愛いなどの情報が蓄積され共有されており、日本人より詳しい情報を持っていたりする。
さらに、テレビ番組やお笑い芸人のネタ、日本のファッションモデル、さらにはアニメや漫画など、日本人のより日本に詳しい中国人も増えてきているのである。
彼らがどこでどうやって情報を仕入れているのか知らないが、とにかく詳しい。
まあ、元よりそういった芸能ネタなどは疎い私であり、中国にきてからより縁遠くなっているので、そういった私と比較するのは意味がないかもしれないが、とにかく彼らの日本に関する情報量には舌を巻く。
なかにはお笑いの批評をどうどうと言ってのける人もおり驚くばかりなのだが、それだけ日本へ行ける中国人(主に上海人)にとっては、日本人が感じている以上に日本を身近な世界だと感じているようである。
逆に上海にも来たことがない日本人から見ると上海はまだまだ遠い外国ということらしく、そういったイメージからか駐在員の派遣に伴う帯同を拒否する奥さんや家族も多いと聞く。
(大気汚染や衛生、治安など理由はたくさんあるが、、)
どうも日本人と上海の中国人の間では、国境に感じる敷居の高さに違いがあるような気がする。
もちろん中国全土を見渡せば、今でも反日的思想を持った人間もそれなりにいるようだが、一方では東京の人が北海道を思うような感覚で、上海から東京や大阪を見ている人も大勢いる。
日本から出ない日本人にとっては理解しがたい感覚かもしれないが、実際には日中間でそういった感覚の違いがあるのだということは知っておいて良いことかもしれない。
先日イエメンからの邦人救出に中国の軍艦が使われたことが話題になったが、反日のスタンスを持つ国家の大枠から見れば違和感を覚えるようなこのような措置でも、上海で日本人と親和している中国人たちのような人ならば、ごく自然な行動だったのではないかという気がするのである。