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厄介なリチウムバッテリー製品

 今の世の中、携帯電話を初めとしてリチウム電池の普及により、身の回りのたくさんの物にリチウムバッテリーが内蔵され、持ち運びや充電が簡単になった。

 しかも充電の供給口がUSB、しかもType₋Cに統一されつつあるので、各国の電源プラグ形状事情に関係なく世界中どこでも使えるようになっている。

 これにより、日常から使っている身の回りの小家電を世界中のどこへ持ち運んでも使えるになった、、と言いたいのだが実はそうは問屋が卸さないのが社会の現状である。
 給電口の問題が解決されたからと言って世界中に家電を無制限に運べるわけではないのである。

 その理由の根本が、リチウムバッテリーそのものにある。
 
 航空機を利用されたことのある方なら誰でもご存じであろうと思うが、リチウムバッテリー付きのスマートフォンなどの携帯電話やパソコンは、航空機の委託荷物に預けられず、必ず手荷物として搭乗時に一緒に持ち歩かなくてはならないことになっている。

 よって、現代の航空機利用事情としては、携帯電話とパソコンは手荷物として携帯することが常識で、さらにモバイルバッテリーを一緒に持ち歩く方も少なくない。
 これに加えて、最近流行のワイヤレスイヤホンもバッテリー駆動であり、これも同様に手荷物で持ち込みセキュリティチェックを受ける必要がある。
 そのほか夏場だとこれにバッテリー式のハンディファンなどが加わり何れもセキュリティチェックを受ける必要がある。

 つまりこういったリチウムバッテリータイプのの所持品が増えるたびに手荷物重量が増えるわけで、空港での保安検査を受ける度に、お店を開くが如く全所持品を開示して提示しなくてはならないのである。
 幸いにして、航空会社側では余程度を越えた量ではない限り、パソコンや携帯電話を複数持っていても、身の回り品として重量オーバーや個数オーバーをとやかくは言われない。

 このように通常の出張や旅行であっても、複数のリチウムバッテリー製品を持ち歩くケースが増えているのが現代の航空機移動事情であるが、これがもし引越しとなった場合を考えるとぞっとする。

 何故ならばこれらのリチウムバッテリー製品は引っ越しであっても引越し荷物に含められず、やはり手荷物で運ばなくてはならないからである。

 特に私のように、複数のワイヤレスイヤホンなどを所持している場合は結局手荷物で運ばなくてはならずその時を考えると戦々恐々してしまう。
 通常の大荷物などは引っ越しサービスを利用するなどして運んでもらうことは出来るが、リチウムバッテリー製品は委託預け入れ出来ず、やはりハンドキャリーは避けられないからである。

 このように考えていくと、身の回りの小家電、例えば卓上扇風機などについて迂闊にリチウムバッテリー製品などを購入してしまうと、航空機移動の際などには足かせとなってしまう可能性があるのである。
 場合によっては捨てるという選択肢も覚悟せねばならず、壊れてい合い場合はとても勿体ない思いをすることになる。

 なかなか厄介なリチウムバッテリー製品たちである。

上海ワルツ:
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