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上海の秋はキンモクセイ(金木犀)に憂鬱

 上海に住み始めて15年近くになったが、毎年この季節はつらい日々が続く。
 何かと言えばキンモクセイ(金木犀)の香りが漂うからである。

キンモクセイ(金木犀)

 あの甘ったるい香りに包まれると気持ち悪くなる。
 15年過ごしてもこの香りには慣れない。

 昔トイレ用の芳香剤にこの香りが使われていたから悪いイメージが刷り込まれてしまっているのだという人もいるが、どうも生まれつき生理的に合わない香りのような印象である。

  まあ1年のうちせいぜい1週間か10日の話ではあるのだが、この季節になるととても憂鬱な気分になる。
憂鬱というか体の具合まで悪くなり、吐き気や眩暈のような感覚になる。
このため外を歩く際にはマスクは欠かせない。

もちろんコロナ禍のため社会的にはマスクは未だに必須なのであるが、一部その習慣が緩み始めている上海の町中にあっても私はキンモクセイ対策で、マスクが必須となっている。
で僅かばかりの香料をマスクに吹き付けるなどして、キンモクセイの香りを嗅がないように気を付けているが、100%は防げずやはり憂鬱になる。
上海の夏の暑さとこのキンモクセイは1年に1度めぐってくる嫌な季節である。

ただ日本の花粉症とどっちがいいかと考えると、まだましなのかと考えると、対策がある金木犀のほうがましなのかと思いながら我慢するこの季節である。

上海ワルツ:
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