別に上海の学生を褒めようというのではない。
先日の夕方に某サンドウィッチチェーンの店舗で食事をしていたところ、中学生だか高校生くらいの男の子が数人で入店してきた。
その時にその中の一人が発したのが「素晴らしい~」という言葉。
その学生たちは特に日本語で会話していたのではなく、中国語で会話する現地の普通の学生さんだったが、なぜかはっきり「素晴らしい~」という言葉が出てきた。
恐らく大して意図をもたない状態で発した言葉だと思われ、ガチョーンとかイェーイとかと同じように、何となく口をついて出ただけのようだった。
しかし裏を返してみれば、その学生にとってはそれだけその「素晴らしい」という言葉が彼らの脳裏に焼き付いてしみ込んでいるという言葉でもあり、それだけ日本の文化に触れている環境があるのだろうと察する。
例えばアニメだったり、ドラマだったりなどを見ていないと、なかなか日常生活の中で「素晴らしい」という外国の言葉は口をついて出てこないだろう。
この学生さんのケースにとどまらず、とっと日本人に興味を持っている中国の人々の会話でも、時々日本語のワンフレーズが紛れ込むことはよくある。
気持ちいーとか、おいしいーとか感嘆符的なフレーズである。
多くは思い出しきれないが、上海の街を歩いていても時々日本語のフレーズが混じっている言葉を耳にするのである。
日本語でも「デリシャス」とか「ビューティフル」と時々混じる人がおりあれと同じようなものであろう。
そういえば、先日上海の路上で「藤原とうふ店」と自動車の外装にプリントされた車を見かけた。
上海にそういった日系の豆腐屋が出来たのかと思いきや、どうやら日本の漫画にそういう設定の豆腐屋と車が登場することを中国人に教えてもらった。
国家間では時々国民感情のぶつかり合いが取り上げられる日中両国だが、文化の面ではいろいろな場面で日本の文化が染み込んでいっているようである。